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“大学No.1レベル”三浦龍司の順天堂と…「駒澤を脅かす」“ダークホース候補の4校”とは〈箱根路の中間テスト〉 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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photograph byYuki Suenaga

posted2021/06/02 11:04

“大学No.1レベル”三浦龍司の順天堂と…「駒澤を脅かす」“ダークホース候補の4校”とは〈箱根路の中間テスト〉<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

関東インカレの結果から見る今シーズンの大学の駅伝偏差値。上位強豪校を脅かす“ダークホース候補”が見えてきた

 チームにはエース格の栗原啓吾(4年)がおり、日体大長距離記録会10000mで28分03秒39 の自己ベスト・大学新を出すなど今シーズンも好調だ。また3年生主将の小島慎也は平成国際記録会1500mで3分56秒62と自己ベストを更新、スピード強化でロングのタイムをさらに上げていく取り組みをしている。小島と同期の武川流以名、上野、さらに中島稜貴、吉本光希ら3年生がこの先にぐっと伸びていくと、全体にボリュームが出てくる。1年生に勢いがあるが、その流れをうまく舵取りして夏合宿に進んでいきたいところ。

 昨季は、箱根予選会12位に終わり、19年ぶりに本大会出場を逃した。今年はレモンカラーの上着と黒パンツにユニフォームを変更し、関東インカレで存在感を示した。秋の箱根予選会ではトップ通過、本大会ではチーム目標である8位を狙える陣容になりつつある。

日体大)古豪復活に向けて、“新エース”が誕生

 日体大も力をつけてきている。昨季の箱根駅伝は14位でシード権を失い、箱根を駆けたエースの池田耀平(現カネボウ)ら6名の選手が卒業した。

 新しくチーム作りが始まる中、関東インカレでは藤本珠輝(3年)が10000mで4位(28分18秒52)、5000mでは6位(14分00秒74)と新エースとして見事な走りを見せた。昨季は1区8位、1年時は5区16位と2年連続で箱根を走っており、経験も十分。全身脱毛症という病と闘いながらの競技生活は人間力もタフになり、走りでは4月に28分08秒58の自己ベストを出すなど好調だ。「背中で引っ張っていきたい」と語るように今シーズンは先頭に立ってチームを牽引していくだろう。

 他の選手を見ても、昨年の池田のような抜けた存在はいないが、全体的にレベルが上がっている印象だ。特に2年生に勢いがある。

 夏に距離を踏み、厳しい合宿にもまれていく中で1年生がどれだけ秋の駅伝に食い込んでいけるか。古豪復活に向けて、関東インカレで見せた勢いを持続していきたいところだ。

課題を強さに転換できるか?

 関東インカレというビッグゲームを終えた後、選手は日本選手権などを経て、トラックシーズンの締めであるホクレンディスタンスに参戦していくことになる。今年のインカレは多くの自己ベストが生まれたが、そのタイムを強さに変えられるか。課題をうまく強さに転換できたチームが箱根駅伝で実力を発揮することができる。

 関東インカレはチームによって明暗を分けたが、もちろん巻き返す時間は、まだ十分にある。

(【初回を読む】箱根駅伝の“中間テスト”「優勝候補は?」「どこが好調なの?」 1位は駒澤、2位は青学、では3位は……?

(【#2を読む】箱根3位にも黄色信号? 強豪校だけど「少し不安を感じてしまう」“常連4校”とは〈箱根駅伝まであと半年〉

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