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ダービー「一強」エフフォーリアを導く22歳横山武史 31年前に1番人気メジロライアンに乗った父(22歳)と比べたらソックリだった
text by
寺島史彦(Number編集部)Fumihiko Terashima
photograph byTakuya Sugiyama
posted2021/05/20 17:05
今年横山がダービーを勝利すれば、71年ヒカルイマイで勝利した田島良保の23歳7カ月28日を更新する戦後最年少記録となる
「馬の力を信じて、ただ、それだけですね。普通に走ってくれれば負けるわけないんだというくらいの気持で乗っていれば、慌てることもないだろうし」
そして弱冠22歳の典弘もまた、今の武史と同じようにプレッシャーを力に変えていた。
「楽しんで馬に乗っている連中は、プレッシャーなんてあんまり感じないでしょう。チャランポランにやるという悪い意味じゃなくて、仕事なんだけど、仕事じゃないみたいな、一種の趣味みたいな感じでね。皆、馬に乗ることが好きですからね。それに去年(89年)ダービーに乗ってからは余計プレッシャーに強くなりましたね。お陰で今年の皐月賞のパドックでは凄い声援だったけど、冷静でいられました」
この後、メジロライアンはダービーを1番人気で迎えることになった(結果はアイネスフウジンに次ぐ2着)。そして31年後の今年、息子の横山は2度目のダービーを1番人気で迎えようとしている。しかも1度目は19年、騎乗停止となった父からの乗り替わり(リオンリオン)だった。今回のインタビューで横山はこうも話している。
「ダービーという舞台を1回経験したことは、僕にとってプラスになるはずです」
親子の共通点はあまりに多い。そして今年のダービーでは、典弘は京都新聞杯を勝ったレッドジェネシスに騎乗予定で、順調にいけば親子競演が実現する。すでに横山親子が同じレースで騎乗するのは珍しいことではない。だがそれがダービーとなれば、競馬史に残るようなドラマを期待したくなってしまうのだ。
(【親子座談会を読む】横山典弘「はっきり言って全然足らない」武史「アドバイスは聞く。でも…」 父子が明かす“3代騎手ファミリー”の親子関係 へ)
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