ダービー「一強」エフフォーリアを導く22歳横山武史　31年前に1番人気メジロライアンに乗った父（22歳）と比べたらソックリだった

　混戦と目されていた3歳牡馬クラシックは、いまや「一強」の様相を呈している。それほど、エフフォーリアの皐月賞での3馬身差の完勝劇は衝撃的だった。

　一昨年（サートゥルナーリア）、昨年（コントレイル）に続く無敗での一冠目。しかも皐月賞で3馬身差をつけて勝ったのは1986年以降、ナリタブライアン（3馬身半）、オルフェーヴル（3馬身、東京開催）しかいないとなれば、ダービーで大本命視されることは間違いないだろう。

　新馬戦から主戦を務めているのは、名手・横山典弘の三男であり昨年史上最年少で関東リーディングに輝いた22歳の若武者、横山武史。今年も現時点で吉田隼人に次いで関東リーディング2位、昨年は1勝だった重賞も、GI初勝利となった皐月賞を含め、すでに4勝を挙げている。今、最も勢いに乗る騎手のひとりと言っていい。

　同馬を管理する鹿戸雄一調教師は新馬戦でのエピソードを披露してくれた。

「あのとき武史は『絶対勝ちます』と言ったので、『じゃあ勝ってきてよ』と送り出しました（笑）。この馬にはいつも自信満々で乗ってくれるので、頼むほうも安心して見ていられます」

　そして横山曰く、「ダイヤの原石だったのが、レースごとに自然に磨かれていった」と走るたびに着差を広げながら、ついには無敗で皐月賞を制することになった。

31年前のダービー、“22歳”の父が語っていたこと

　5月30日、エフフォーリアと横山のコンビは、これまでにない注目を集めることになるだろう。しかし、それもまた力に変えてしまうだけの自信と勢いが今の横山からは感じられる。実は31年前の1990年、父の典弘がメジロライアンに騎乗したときは、今の横山と同じ22歳だった。

　90年のダービー直前に行われたインタビュー（Number244号掲載）で、典弘はこう答えている。

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