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【51歳に】辰吉丈一郎「ずっと喧嘩でいくよ。俺の原点やから」 カリスマ性は今も絶大、村田諒太「あの試合がなければ僕は…」
posted2021/05/15 11:00
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Mikio Nakai/AFLO
<名言1>
辰吉さんはボクシングブームを再度広めてくれた人。あの試合がなかったら僕はボクシングをやっていなかったかもしれない。
(村田諒太/Number990号 2019年11月14日発売)
◇解説◇
中学時代から毎週欠かさず世界のボクシング番組をチェックするなど、村田は自他ともに認める“ボクシングマニア”である。
そんな彼が「衝撃を受けたKO」として、1997年11月22日のWBC世界バンタム級タイトルマッチ、シリモンコン・ナコントンパークビューvs.辰吉丈一郎の一戦を挙げている。
世界戦で負け続きの辰吉と、全勝で臨んできたシリモンコン。圧倒的不利が予想される中、辰吉は5回にダウンを奪い、6回には猛攻に晒され、そして7回にボディからパンチをまとめてTKO! ジェットコースターのようなスリリングさに、村田はこう端的に表現した。
「文句なし。感動した!」
日本人2人目の五輪金メダリスト、同じく2人目の世界ミドル級王者となった村田にとっても、辰吉丈一郎とはそれほどまでにカリスマ性のある人物だった。
村田が感動した試合で辰吉が思ったこと
<名言2>
これから先の試合も喧嘩。ずっと喧嘩でいくよ。だって、俺の原点やから。
(辰吉丈一郎/Number434号 1997年12月18日発売)
◇解説◇
村田が「感動した」と言い切ったシリモンコン戦でのTKO勝ちは、辰吉丈一郎にとって3年ぶりとなる世界タイトル奪回だった。
7ラウンド1分28秒、その左拳が王者のみぞおちにメリ込むと、シリモンコンはリングにうずくまった。この際、辰吉は追撃を加えようと腕を振り上げていたが、思いとどまっていた。