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【ヴィクトリアマイル】グランアレグリアの“大阪杯の3つの負け要素”がすべてプラスに? 藤沢師の“最後の傑作”が大記録達成か
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byPhotostud
posted2021/05/15 17:04
昨年のマイルチャンピオンSを勝ったグランアレグリア。前走の大阪杯は4着に敗れたが、ヴィクトリアマイルではどうだろう
相手の筆頭格は武豊騎乗のレシステンシア
相手の筆頭格は、2019年に2歳女王となったレシステンシア(4歳、父ダイワメジャー、栗東・松下武士厩舎)だろう。
武器はスタートからゴールまで持続する突出したスピード。阪神ジュベナイルフィリーズでは、後ろがついて来られないほどのハイペースでハナを切り、ラスト3ハロンをメンバー最速でまとめ、2着を5馬身切って捨てた。昨年の桜花賞とNHKマイルカップではともに2着と惜敗し、休み明けとなったマイルチャンピオンシップでは、勝ったグランアレグリアにコンマ8秒差をつけられる8着に終わった。しかし、次走の阪急杯をレコードで逃げ切り、初の1200mとなった前走の高松宮記念では首差の2着と、本来のスピードを発揮できるようになっている。
昨年のマイルチャンピオンシップでグランアレグリアにつけられた差を、ここでどれだけ縮められるか。前々でレースを進めるので、直線の長い東京は大歓迎とはいえないが、そのへんは、桜花賞でもこの馬に騎乗した武豊が、腕で何とかしてくれるだろう。
「牝馬も格」がモノをいう時代
マイル戦を4連勝してここに来たテルツェット(4歳、父ディープインパクト、美浦・和田正一郎厩舎)も勢いがある。もし勝てば、「障害界の絶対王者」オジュウチョウサンの管理者として知られる和田正一郎調教師にとって、初の平地GI勝利となる。
トライアルの阪神牝馬ステークスを勝ったデゼル、そこで2着だったマジックキャッスルなども上位争いをしそうだ。
書いているうちに、「牝馬は格より調子」という格言を思い出してしまった。が、これは牝馬がこれほど牝馬混合GIを制するようになる前の時代の格言である。今は「牝馬も格」がモノをいう時代だ——ということで、印を。