沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
【ヴィクトリアマイル】グランアレグリアの“大阪杯の3つの負け要素”がすべてプラスに? 藤沢師の“最後の傑作”が大記録達成か
posted2021/05/15 17:04
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Photostud
先々週の天皇賞・春と先週のNHKマイルカップは大混戦だったが、これから4週つづく東京でのGIは、どれも「一強」を中心とする戦いになりそうだ。
今週の第16回ヴィクトリアマイル(5月16日、東京芝1600m、4歳以上牝馬GI)で不動の「一強」と目されているのは、勝てば古馬の芝マイルGI完全制覇となるグランアレグリア(5歳、父ディープインパクト、美浦・藤沢和雄厩舎)である。
前走の大阪杯では、コントレイル(3着)に次ぐ2番人気に支持されながら、よもやの4着に敗れた。それも、勝ったレイパパレから5馬身ほども離された完敗だった。
昨年のマイルチャンピオンシップを勝って以来、4カ月の休み明けだったことが響いたのか。それとも、重馬場が合わなかったのか。あるいはやはり、この馬には2000mはやや長かったのか。
おそらく、それらすべてが少しずつ作用しての敗戦だったと思われる。
グランアレグリアが負けるシーンを想像しづらい
今回は、ひと叩きしたローテーション、良が期待できそうな馬場状態、そして、最も得意としているマイル――と、前走でマイナスになった要因がすべてプラスに転ずる。
さらに、ここは牝馬同士で、レイパパレや、昨年の牝馬三冠馬デアリングタクトといった、マイルを守備範囲とするスーパー牝馬が不在というメンバー構成だ。
鞍上のクリストフ・ルメールは、ヴィクトリアマイルで過去5回騎乗し、2017年のアドマイヤリード、20年アーモンドアイと2勝している。
ここでグランアレグリアは、負けるわけにはいかない。というより、負けるシーンを想像しづらい。何しろ、東京のマイルで行われた昨年の安田記念では、アーモンドアイを2馬身半も突き放してしまったのだから。
前述したように、勝てば、ヴィクトリアマイル、安田記念、マイルチャンピオンシップという古馬の芝マイルGI完全制覇という、牝馬にしか達成できない大記録を樹立することになる。