米国で“唯一無二の選手”として認められた証

　思い起こせば、二刀流挑戦は誰も歩んだことのない道を進むことから始まった。そして、その過程はこれまで大部分で大人たち（首脳陣）が管理してきた。登板前後の休養、登板時は投手に専念等々。彼は『制限』という名のレールの上を走ってきた。だが、その『制限』も今はなくなった。怪我という試練を乗り越え、結果を残し、首脳陣からの信頼を得、一人歩きが許されるようになった。これは大谷翔平が真の意味で米国で唯一無二の選手として認められた証なのではないか。

　投打同時出場から野手出場の「三刀流」を果たし、スタメン野手出場や、「三刀流」後の再登板も視野に入った。常識は覆ったのである。これから先、二刀流の幅はどこまで広がるのか。楽しみは尽きない。

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自身で出場にストップをかける強さはあるのか？

　だが、心配ごともやはりある。選手とは常に投げたい、打ちたい、試合に出たいと思う生きものだ。期待が大きい分、背負うものも大きい。大谷には自身で出場にストップをかける強さはあるのか。彼はその点でも自覚をしていた。

「それはしなければいけないです。監督が使いたい試合や相手もあると思う。もちろん自分の体調もそうですけど、考える必要はあるのかなと思います」

　新たなる野球の可能性、価値観を生み出すためにも、コンディショニングには細心の注意を払い続けて欲しい。健康さえ保たれれば、彼の異次元の活躍は保証済みと言える。

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