プロ野球亭日乗BACK NUMBER
戦力外通告の筒香嘉智、「マイナーを選択」はプラスに働く? 天才肌ではない男の“牛歩”と37歳の松井秀喜が語っていたこと
posted2021/05/14 17:01
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
JIJI PRESS
タンパベイ・レイズでプレーしていた筒香嘉智外野手が、事実上の解雇通告を受けた。
2019年オフにポスティング制度を利用してレイズと契約した筒香は、2年目の今季は26試合に出場して打率1割6分7厘、本塁打0で打点5と振るわず、現地時間5月11日(日本時間同12日)にメジャーのロースター枠40人から外された。
今後はウエーバーにかけて、獲得を希望する球団がなければ、本人がマイナー契約か自由契約を選択することになる。現状から筒香獲得に乗り出す球団はないと見られ、残された選択肢は米国に残ってマイナーでプレーを続けるか、日本に戻るかの2つとなるだろう。
どちらを選択するかは、筒香次第だが、古巣・DeNAの三原一晃球団代表は復帰を熱望するコメントを発表。日本に戻るとすれば古巣復帰が最有力と見られるが、その一方で筒香自身がマイナーでのプレーを選択する可能性が高そうにも思える。
「マイナーでのスタートだったら?」と聞くと……
実は3年くらい前に、マイナーでのプレーについて筒香と話したことがある。
当時はDeNAでプレーしていたが、近い将来のメジャー挑戦を考えながら、その地固めをしていた時期でもあった。
そこでメジャー移籍の話になったときに、「例えばメジャー契約が取れなくて、マイナーでのスタートだったらどうする?」と聞いたことがあるのだ。
「それでも行きます」
筒香は即答した。
DeNAで4番に定着して打率3割1分7厘、24本塁打で93打点と本格的にブレークした2015年オフには、ドミニカ共和国のウインターリーグに参加。そこで日本とは全く異なる野球環境に触れて「あのままドミニカでプレーしてもいいと思った」と、本格的に海外でのプレーを目指すきっかけとなった。
だから最初からメジャーでなくとも、マイナーでもいいからアメリカで野球をやりたいという欲求を強く持っていたのも頷ける話だった。