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10奪三振の三刀流・大谷翔平「あまりに凄すぎるからこそ生まれる」“たった1つの心配すべきこと”とは? 

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笹田幸嗣

笹田幸嗣Koji Sasada

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posted2021/05/14 17:00

10奪三振の三刀流・大谷翔平「あまりに凄すぎるからこそ生まれる」“たった1つの心配すべきこと”とは?<Number Web> photograph by Getty Images

5月11日のアストロズ戦で投手として7回1失点の好投後、ライトの守備にも就いた大谷翔平。

「今は元気そうだから今年は大丈夫かもしれないけれど、彼の長い野球人生を考えれば、あの試合で『三刀流』までする必要があったのか? 限りある野球人生を削っているのではないか?」

 すべてがごもっともな意見だ。調子がいいから、今は大丈夫だからといって、連日のように投げてきた中継ぎ投手が短命に終わった例は星の数ほどある。

 大谷の体は大丈夫なのか。実はこんなやりとりは、我々取材記者とジョー・マドン監督、そして大谷翔平との間にも既に今季何度かあった。指揮官は4月末の時点でこんな発言をした。

「彼はほとんどの時間をDHで過ごしている。だから休息は与えられていると思う。今は心配していない。我々は日々ショウヘイと会話をしている。彼は準備が出来ていて感覚がいいと伝えてくれている。彼はとても正直。休みが必要ならば伝えてくれるだろう。状態が良ければ出場させ、休養が必要なら与える。至ってシンプル。これからも彼の声を聞いていく」

前例がない挑戦だからこそ「あらゆるデータがない」

 一方の大谷はゴールデンウイーク明けにこう言った。

「まずは自分が出られるかどうか。監督が使いたいと思わないと使ってもらえないので。本当に1試合1試合、明日も出したいと思われるように結果を出せればいいかなと思っています。その積み重ねで最終的にどれぐらい出られるか分からないですけど、やってみたいなと思います」

 そして、自身の体の状態についても説明した。

「こんなに続けて出たことはもちろんないですけど、思っていたよりはそんなに疲れてはいないです。もちろん疲れているなと思う日もあったりしますけど、1日のトータルでどれくらい動いたかを計算しながら、今日は(ペースを)落としといた方がいいとか。(選手の)心理的には数を振りたいし、振って振って、そのゲームに臨みたいところではないかと思いますけど、そこを我慢しながら、トータルで見た時に良い結果が残せるようにやりたいなと思います」

 試合出場と前後の練習量を加味し、自身でトータルの運動量を判断する。前例なき選手の新たなる挑戦であるからこそ、編成責任者や医療スタッフが持つ過去のデータはない。大谷は充分に自覚していた。

【次ページ】 凄すぎる大谷につきまとう“たった1つの不安”

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