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田中将大の帽子にある“見えない保険”…「192キロ」の打球直撃から投手を守るヘッドガード秘話【米開発者を独占取材】
text by
熊崎敬Takashi Kumazaki
photograph bySankei Shimbun
posted2021/05/15 06:01
今季から楽天に復帰した田中将大。メジャーでの経験を踏まえて、帽子の中にヘッドガードを取り付けている
それでもプロXは“見えないところで”、徐々にユーザーを増やしている。
「15年に初めてメジャーリーガーが着用し、以来15人ほどの投手が使っています。興味深いのは、そのほとんどが自身かチームメイトが打球の直撃を受けた経験の持ち主です」
プロXユーザーには、ブルージェイズのロビー・レイ、ツインズのマット・シューメイカー、カージナルスのダニエル・ポンセ・デ・レオン、レイズのコリン・マクヒューといった実力者の名が並ぶ。
田中の着用が報じられると、NPB球団からも問い合わせがあったという。
ユーザーはプロ選手ばかりではない。アマチュアでも徐々に認知されており、アメリカの少年野球で打球を受けた投手が、プロXをつけていたことで傷ひとつ負わなかったケースもあったという。
「打球が直撃しても倒れなかったので、アンパイアが驚き、保護者の方にたいへん感謝されました」
フィジカル能力の向上によって、投手が危険にさらされている野球界。“見えない保険”プロXが、投手にとってマストアイテムになる日も遠くはないのかもしれない。