ルメール「グランアレグリアの切れ味は超一流です」

　その後、NHKマイルC（GI）では4位入線5着降着となると、1500勝トレーナーはここで思い切った采配をふるう。夏場にひと息入れるだけでなく、秋華賞を中心とした3歳牝馬の秋の路線には目もくれず、再び彼女をターフに戻したのは年も押し詰まった12月。阪神競馬場の芝1400メートルが舞台となる阪神カップ（GII）に出走させたのだ。

3歳時のグランアレグリア

　このGIIで中団からレースを進めたグランアレグリアは、直線に向くと一気に加速。結果、2着のフィアーノロマーノを5馬身突き放して優勝した。当時を振り返ってルメール騎手は言う。

「追ったらビューンと伸びて、乗っていてもビックリしました。グランアレグリアの切れ味は超一流です」

　藤沢調教師は言う。

「それまでは1600メートルしか使っていなかったけど、初めての1400メートルで凄い脚を使ってくれました。これならもっと短い距離でも大丈夫そうかと感じました」

安田記念でアーモンドアイに完勝

　そこで昨年の初戦は高松宮記念（GI、中京競馬場、芝1200メートル）に照準を合わせた。ドバイ遠征をしていたルメール騎手が自主検疫中だったため、手綱を取ったのは池添謙一騎手。初めてのスプリント戦で前半はスピードについていくのに手間取ったが、ゴール前は猛追。しかし、残念ながら2着に終わった。

「着順的には負けなんだけど、古馬のGI戦線でも充分にやれる事が分かったのは大きな収穫でした」

　藤沢調教師はそう言って、続く1戦は安田記念（GI、東京競馬場、芝1600メートル）に挑ませた。

安田記念で3番人気となったグランアレグリア

　ここにはルメール騎手がコンビを組む最強馬アーモンドアイがいたため、鞍上は再び池添騎手。グランアレグリアはアーモンドアイ、そして前年のこのレースの覇者インディチャンプに続く3番人気となったが、競馬ぶりはいわゆる横綱相撲。早目に先頭に立つと必死に追いすがるアーモンドアイやインディチャンプに付け入る隙を全く与えず1分31秒6の時計でゴール。2着アーモンドアイに2馬身半の差をつけ、完勝してみせた。

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