炎の一筆入魂BACK NUMBER
カープ森下暢仁に“2年目のジンクス”はないのか? 甘いマスクに隠した“知られざる苦悩”「あの日に戻れないかな」
text by
前原淳Jun Maehara
photograph byJIJI PRESS
posted2021/05/10 17:02
力投する広島先発の森下暢仁投手
苦しんでいる姿は決して表には出さない
昨季も12球団4番目の好成績だった得点圏被打率2割2分8厘から飛躍的に向上している。今季、適時打はまだ2本しか打たれていない。
「昨季は毎回、毎回思い切り投げていたところはあった。今年は入り方をもう一度注意しながら、というのが大事かなと意識してはいます」
1年目は初回から全力で走り続ける投球だったとするならば、2年目の今季は全体の中で強弱をつけながらの投球。調子が良くない中でも、そのような力加減を身に付けた。それでいて、WHIP(1回あたりの被安打+与四球)は0.93。今季WHIP1未満の投手は、規定投球回数以上では12球団でも5人しかいない。
女性ファンを虜にする甘いマスクに隠すのは、先発としてのプライドだけではない。苦しんでいる姿は決して表には出さない。「2年目のジンクス」とは無縁かもしれない。ただ、決して順風満帆ではない2年目のシーズンを、森下は人知れず戦っている。