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藤井清竹くん7歳が「サッカーするためにブラジルに残りたい」と言ったら? 両親の答えは…【日本人初の名門フラメンゴ加入】
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byHiroaki Sawada
posted2021/05/05 17:04
フラメンゴの一員となった藤井清竹君。彼の挑戦を引き続き追っていきたい
2時間に及んだ練習が終わり、監督とコーチが集まってしばらく話し合う。おそらく、誰を合格させて誰を落とすかを相談しているのだろう。
練習後、フラメンゴのユニフォームを手渡され
それから監督が「これから名前を呼ぶ子はここに残ってくれ」と伝え、6人の名を呼んだ。
その中に、エンゾがいた。清竹君は、その他の選手と一緒にコートの外へ出てきた。そして私のところへ来て、「選手とその付き添いの人は、裏の事務所へ集まってくれって」と告げる。
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「お疲れ様。頑張ったね」と清竹君をねぎらいながら事務所へ向かうと、選手たちが列を作り、1人ずつ事務所へ入っている。それから、ユニフォーム一式を手に、笑顔で出てきた。父兄から歓声が上がる。今年着用するフラメンゴU-7のユニフォームを手渡されていたのだった。
清竹君も事務所に入り、ユニフォームをもらってきた。弾けるような笑顔。彼にとって、一生忘れられない日になるだろう。本当に羨ましいが、その場に立ち会えて幸運だった。
U-7のコーチに今後の練習予定を尋ねたところ、「通常は、週にフットサルを3回、フットボールを1回練習して、週末に試合をする。ただ、今はコロナのせいで異常事態なので、状況を見ながら週1、2回程度から徐々に練習の回数を増やしていくことになるだろう」との答えだった。
エンゾら名前を呼ばれた6人はどうなった?
「名前を呼ばれた6人はどうなったのか」と聞くと、「彼らはフットサルの選手枠には入れなかったのだが、週1回程度のフットボールの練習には参加してもらっていい。ただ、その場合、フットサルはフラメンゴと"友好的"なクラブで練習を続けることが条件となる」とのことだった。
"友好的"の意味を問いただすと、「フラメンゴのライバルクラブではないこと」。つまり、エンゾがフラメンゴで多くても週1回のフットボールの練習に参加したければ、ヴァスコダガマやボタフォゴでフットサルの練習をしてはいけないということになる。