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大谷翔平が「本塁打トップで先発投手」 ベーブルースに並ぶ“100年ぶりの快挙”を生んだ「3年前の決断」 

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笹田幸嗣

笹田幸嗣Koji Sasada

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photograph byKYODO/Getty Images

posted2021/04/28 17:05

大谷翔平が「本塁打トップで先発投手」 ベーブルースに並ぶ“100年ぶりの快挙”を生んだ「3年前の決断」<Number Web> photograph by KYODO/Getty Images

4月26日の試合に「2番・投手」で投打同時出場した大谷翔平。投げては今季初勝利、打っては2安打3得点の活躍を見せた

「やらないというプランも説明してもらって、最終的には自分で決めた。しないなら、しないでこしたことはない。それで自分の100%のものが出せるなら、やらない方がいい。でも、そうではないと思った」

 投手として、自身で追い求める理想像がある。『パワー投手』として、思い切り腕を振り、常に160キロの直球で打者と対峙すること。当時、まだ24歳。彼の決断は理解できた。

「速球派のピッチャーをやっているなら、怪我をするのは前から覚悟はしていた。そういう意味では、怪我をした後、リハビリも長かったですけど、気持ちを切らすことなくやってこれた。トレーナー、手術をしてくれたお医者さんもそうですし、そこがすごく大きかった」

ハイレベルな記録を更新しても「何ごとも積み重ね」

 4月26日の最速は99.3マイル(約160キロ)。直球は常時155キロ以上をマークし、145キロ前後で大きく鋭く落ちるスプリットは打者のバットに当たらなかった。目指した投手の理想像を築き上げていた。

 誰もが、投打同時出場のリアル二刀流を称え、投げない日の打者出場も評価する。だが、彼の素晴らしさは、投げるボールが160キロを越え、打者としては特大弾を連発し、その上でフィールドを疾走する姿にある。3拍子がこんなハイレベルにある選手はメジャーの長い歴史に於いてもお目にかかったことはない。

 よくマドン監督は大谷を「Humble」と表現する。日本語で言えば「謙虚」。大谷は言った。

「何ごとも積み重ね。1試合1試合、翔平が出ているゲームは勝ちになるゲームが多いなと、思ってもらえるように1打席1打席できるようにやっていきたい」

 歴史に肩を並べることが彼の使命ではない。野球発祥の地で新たな歴史を作っていくことが大谷翔平に与えられた使命だ。テキサス州アーリントンの夜にそんなことを思った。

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