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沖縄初のオリンピックレスラーに! 屋比久翔平が果たした“親父の夢”「高1の頃は内地の高校生はすごいと思っていた」
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph bySachiko Hotaka
posted2021/04/18 11:01
屋比久翔平(右)はアジア予選で決勝に進出し、沖縄県出身のレスリング選手として初めて五輪への切符を手にした
現役を退いたら「沖縄に戻りたい」
「でも、高2、高3になるにつれ、自分のレベルを知る。そのレベルを知ったうえで、内地の大学の練習で学んだことを沖縄に持ち帰り、自分たちの実力を押し上げていました。そのおかげで、自分たちの代では内地との差はすごく縮まっていたと思う」
その言葉に偽りはない。屋比久は浦添工高在籍時には数々の全国大会で優勝。全国選抜大会では沖縄県初となる団体優勝も果たした。
「高校時代は、ただガムシャラにやっていただけだけど、振り返ってみればそれが良かったような気もします」
全ての源はウチナー(現地では沖縄のことをこう呼ぶ)にあり。卒業後も屋比久は日体大を練習の拠点にしているが、現役を退いたら「沖縄に戻りたい」と吐露した。
「沖縄の高校でレスリングを教えたい。その頃にはちょうどレスリングの指導者が少なくなっていると思うので、入れ代わりという形になるんじゃないですかね。そして僕が高校生の頃の沖縄レスリングを超えたい」
東京オリンピックが閉幕するまで、モワ~ンとした空気はたぶんお預け。それでも、屋比久のウチナー愛が変わることはない。