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【中山GJ】“気持ちが途切れた”オジュウチョウサンは6連覇で復権なるか 「仕上がりに関しては言うことはない」
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byPhotostud
posted2021/04/16 11:00
昨年11月の京都ジャンプステークスでのオジュウチョウサン。中山グランドジャンプに復権を懸ける
「障害を舐めて跳んでいるんじゃないか」
石神がこの馬に初めて騎乗したのは2015年の初夏だった。それから6年ほど、怪我などで騎乗できない時期もあったが、ずっと鞍上でコミュニケーションを取りつづけてきた。
障害レースに乗っていると、踏み切るときにはもう、上手く着地できるかどうかわかるのだという。オジュウの場合はどうかというと「障害を怖がっていないどころか、舐めて跳んでいるんじゃないかと思うこともある」と笑っていた。
前走の最終障害で、この馬でも飛越ミスをすることがある――という悪い形を確認することができてよかったのかもしれない。
この中間は坂路調教も取り入れ、ウッドチップコースで行われた今週の追い切り後、和田調教師が「走りに切れが出てきた」と言えば、石神も「仕上がりに関しては言うことはない」と好感触を得ている。
もちろん、オジュウも強いが、相手も強い。
昨年、オジュウが回避した中山大障害を勝って最優秀障害馬になったメイショウダッサイ、京都ジャンプステークスでオジュウを負かしたタガノエスプレッソらが、虎視眈々、新王者の座を狙っている。
大逃げを打ったアップトゥデイトをオジュウチョウサンがゴール前で逆転し、26年ぶりにレコードを塗り替えた2017年の中山大障害のような名勝負になるか。
今年の障害王争いも、熱く盛り上がりそうだ。