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【桜花賞】白毛馬初の偉業を遂げたソダシは“2つのテーマ”をクリアした 「話題性だけと見られていたので…」
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byPhotostud
posted2021/04/12 11:45
昨年のデアリングタクトに続き無敗の桜花賞馬になったソダシ。コースレコードの見事な走りだった
ラスト200m手前、吉田が左ステッキを入れると
ソダシは、吉田が手綱を引いて抑える指示を出すとそれを受け入れ、前の馬を必要以上には追いかけようとしない。逃げるストゥーティの1馬身半ほど後ろにつけ、向正面を進んで行く。すぐ外を他馬に塞がれ、馬場の悪いところを走らされているかに見えたが、内埒から馬1頭半分ほど離れたところを進んでいる。このあたりは吉田が上手かった。
3コーナーで、メイケイエールが外から一気に進出してハナに立ってからも、ソダシは好位の内でじっとしていた。
そして直線入口。失速したメイケイエールをかわしてストゥーティが先頭に立った。吉田はソダシをストゥーティの外に持ち出し、早めにゴーサインを出した。
ラスト200m手前で、吉田が左ステッキを入れると、その叱咤に応えてソダシがスパートし、先頭に躍り出る。
ルメール騎乗サトノレイナスの追い込み
ロングスパートをかけたソダシは、後続を1馬身、2馬身と突き放しにかかる。
しかし、ソダシをマークするような位置にいたファインルージュが末脚を伸ばし、少しずつ差を詰めてくる。
外からはアカイトリノムスメも追い上げてくる。さらに外から、クリストフ・ルメールのサトノレイナスが凄まじい脚で追い込んでくる。
サトノレイナスの勢いが突出している。1完歩ごとに差を詰めてくるが、ソダシには余裕があった。
ソダシは、2着サトノレイナスの猛追をクビ差でしのぎ、1分31秒1のコースレコードで栄光のゴールを駆け抜けた。
「形が決まってからは馬と呼吸を合わせて、手応え十分でした。最後は、これだけ高速馬場だったので、ちょっと分が悪いかなと思ったのですが、馬の力に助けられました」
不利だと思われていた高速馬場さえ味方につけ、スーパーレコードを叩き出した。
制限付きではあったが、2年ぶりに有観客の桜花賞となり、3000人ほどの入場者から拍手が沸き起こった。