2021年度に注目されそうな“最年少記録”を予報

「史上2位の年少記録で最優秀棋士」

　今回の藤井二冠の受賞は18歳8カ月。18歳での最優秀棋士賞受賞は、1989年の羽生善治九段（18歳6カ月）以来となったそうだ。藤井二冠が7月生まれ、羽生九段が9月生まれということでの“2カ月差”なのだろうが「18歳にしての最優秀棋士」ということで両者とも時代を代表する棋士であることは間違いない。

　2020年も「史上最年少二冠」という見出しが大きくメディアを騒がせたが、藤井二冠の対局には多くの人が感銘を受けるとともに、常に「最年少記録」という注目がついて回る。では、藤井二冠の「今後注目されるだろう最年少記録」はどんなものがあるのだろうか。2021年度になったことだし、調べて“予報”しようと思いついた。

“七大タイトル”の最年少挑戦者の面々は？

　まずはいわゆる八大タイトルのうち7つ（第6期の叡王戦は割愛した）の「最年少タイトル挑戦」だ。段位などは2021年4月1日付のものである。

名人戦／加藤一二三九段 20歳3カ月
竜王戦／羽生善治九段 19歳0カ月
棋聖戦／藤井聡太二冠 17歳10カ月20日
王座戦／渡辺明名人（棋王・王将） 19歳4カ月
棋王戦／羽生善治九段 20歳4カ月
王将戦／豊島将之竜王（叡王） 20歳8カ月
王位戦／藤井聡太二冠 18歳1カ月

　昭和から平成、令和にかけての大棋士がズラリと並ぶ。ちなみに藤井二冠が更新した2つのタイトル戦の最年少記録はそれぞれ屋敷伸之九段の17歳10カ月24日（1989年度／棋聖戦）、佐藤康光九段の20歳9カ月（90年度／王位戦）だった。もちろん、2人とも将棋界きっての実力者だ。

羽生善治vs佐藤康光の王位戦©Hideki Sugiyama

　そして通算タイトル99期という偉大過ぎる実績を持つ羽生九段だが、2020年度時点で藤井二冠とともに七大タイトルでの「複数タイトル挑戦の最年少記録」の持ち主でもある。

　さて、今年度の「最年少記録予報」で大きく注目を集めそうなのは「最年少九段昇段」だろう。

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