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藤井聡太二冠の“最年少記録予報”を調べたら… 「達成しそうな記録」と羽生九段、渡辺名人ら“中学生棋士”の偉大さが分かった
posted2021/04/07 17:03
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph by
JIJI PRESS
4月1日に発表された「第48回将棋大賞」で藤井聡太王位・棋聖(以下、藤井二冠。段位などは現在のもの)が自身初となる「最優秀棋士賞」に輝いた。
2020年度、世の中がおうち時間を強いられる中で日本列島が沸き、活躍を見せた“競技者”と言えば藤井二冠で間違いないだろう。
4年連続で勝率8割超えというすさまじさ
あらためて2020年度の勝率を振り返ってみよう。
<2020年度の成績>
44勝8敗/勝率.846
<通算での成績>
213勝40敗/勝率.842
スポーツ好きが「勝率」と聞いて真っ先に思い出すのは、プロ野球ペナントレースの勝率だろう。2020年にセ・パそれぞれのリーグを制覇した両チームの勝率は……巨人が「.598」でソフトバンクが「.635」。また同年のサッカーJ1王者の川崎フロンターレ(26勝5分け3敗/勝ち点83)を勝率で換算してみると「.765」である。
3チームとも圧倒的な強さを見せていたイメージなのだが……競技性は違えど、相手のある勝負事で安定して「8割以上勝利している」のだから恐るべき成績である(ちなみに藤井二冠の年間勝率8割以上は4年連続)。
3月の順位戦で藤井二冠と対局した中村太地七段も「アベレージの高さ」について言及していたのだが、それがタイトル獲得経験のある棋士からの偽らざる評価なのだろう。
そりゃ4年連続で勝率が8割を超えて、史上最年少タイトル&複数タイトル獲得を成し遂げ(あとNumberのMVP賞も取ってた)、世間に将棋の面白さを広く伝えてくれたのだから……最優秀棋士賞、さもありなんという感じである。
そんな藤井二冠の最優秀棋士賞受賞を伝えるニュースの見出しを眺めていて、「へえ~」と思うことがあった。