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久々の「国内&海外組」 森保ジャパン“ポジション争い”を激化させた「注目の3選手」は誰か? 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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posted2021/03/31 17:04

久々の「国内&海外組」 森保ジャパン“ポジション争い”を激化させた「注目の3選手」は誰か?<Number Web> photograph by JMPA

今回、初招集組で、大きな爪痕を残したのが山根視来(川崎)

その3)守田英正「守備に自信はある」

 初招集ではないが、2年ぶりに代表にもどってきた守田英正(サンタクララ)は、ボランチで非常に安定したプレーを見せた。韓国戦では遠藤航とともに絶妙なバランスを保ち、クリーンシートに貢献した。つづくモンゴル戦もスタメンでの出場を果たし、チーム4点目となる代表初ゴールを決めた。昨年、川崎でアンカーを任され、守備力が一段と磨かれ、今年ポルトガルに移籍してからは前線への飛び出し、縦パスへの意識など攻撃面で成長したところを見せてくれた。

 ボランチのレギュラーの序列にもくさびを打ち込んだ。守田にとっては、ここからが本当の勝負になる。「守備に自信はある。あとは攻撃面での特徴、得点力」と自らが語るように課題は明確だ。幸い、欧州はボランチにも得点、アシストの結果が求められる厳しい環境だ。守田もそのことを強く意識しており、更なるレベルアップが可能だろう。

「あの時の守田はよかった」で終わらせるのではなく、6月もその先のW杯最終予選にも呼ばれ続けなければならない。守田はそれを継続することで、森保一監督の信頼をさらに厚くし、ボランチの序列を変えることが可能になる。今は遠藤がボランチの軸だが、柴崎岳(レガネス)、大島僚太(川崎)、田中碧(川崎)、稲垣祥(名古屋)ら質の高い選手との競争を勝ち抜くだけのポテンシャルは十分にある。

初選出・初先発組が見せた「存在感」

 稲垣は、モンゴル戦で、2ゴールを決めて存在感を出した。

 29歳での代表デビューだったが、名古屋でプレーしているかのように自分の良さを出していた。ミドルレンジのシュートを決めるのを得意としているが、それをそのまま代表のデビュー戦で披露するところはさすがだった。

 小川諒也(FC東京)は、モンゴル戦でスタメンフル出場を果たした。余裕をもって高いポジションを取り、積極的に攻撃参加。守備面は、攻められる時間があまりなく、良さを発揮するシーンがほとんどなかったが、大量点でうしろの集中力が薄れそうになるなか、終始いい緊張状態を保ってプレーしていた。小川も次回、力のある相手とのプレーを見てみたいと思わせてくれた選手だった。

【次ページ】 注目選手が作り出す「チームのフレッシュさ」

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