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久々の「国内&海外組」 森保ジャパン“ポジション争い”を激化させた「注目の3選手」は誰か?
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJMPA
posted2021/03/31 17:04
今回、初招集組で、大きな爪痕を残したのが山根視来(川崎)
「切り替えとか球際とかは湘南でずっとやってきたこと。攻撃へのかかわりだったり、今日の得点シーンじゃないですけど、あのような場所に入っていく感覚は川崎でずっとやっていて身に付いたものなので、両チームでやってきたことが結果になったと思います」
湘南スタイルと川崎イズムのミックスチュア。そのプレーを世界の強者との試合でも見てみたい。誰もがそう思っただろうし、そう思わせたことで山根は最初の試験をクリアーしたと言える。酒井宏樹(マルセイユ)、室屋成(ハノーファー)、佐々木翔(広島)、菅原由勢(AZ)、古賀太陽(柏)との競争が楽しみだ。
その2)江坂任「常に守備から攻撃、攻撃から守備」
江坂任(柏)は韓国戦、後半からの出場だったが、トップ下のポジションに入り、非常に質の高いプレーを見せた。後半38分にはCKから3点目となる遠藤航のゴールをアシスト。後半31分に惜しいシュートがあったが、デビュー戦としては上々だった。
江坂も山根と同じようにこれまでの経験がすべて成長に繋がっている。
大宮時代はゴールにこだわり、得点感覚を磨き、柏に移籍してからはトップ下としてパス、ドリブル、シュート、オフザボールでの動きで成長してきた。攻撃面でチームをリードした。
「僕は、常に守備から攻撃、攻撃から守備を考えてポジショニングをとろうとしています」
柏で江坂は常々、そう語っていたが、いつも攻守両面でいい準備をして、プレーしている。それがピッチ上で余裕を持ってプレーできることにつながっているのだろう。代表戦であってもそれは変わらず、日韓戦ではピッチに入ってすぐゲームに馴染み、まるで長年代表にいるかのように落ち着いてプレーをしていた。
「周りの選手からも、思い切ってやりたいプレーをやればいい、と言ってもらえた。そこも気持ちは楽になって。やりたいプレーは出せた。到達したとも思うけど、まだまだ成長したいなとも思います」
向上心は、尽きない。江坂もまた、山根同様、W杯最終予選や世界の強豪との試合で試したい、指揮官にそう思わせる域に達したひとり。攻撃的MF、トップ下のポジションは、激戦区だが、鎌田大地(フランクフルト)、久保建英(ヘタフェ)、南野拓実(サウサンプトン)とはタイプが違う。それだけに江坂が出場してきた時の化学反応には大いに期待ができる。