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朝倉海が“痛恨の堀口恭司戦”からの復帰戦にジャパンGPを選んだ理由 「誰でもいい。普通に勝てると思います」
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2021/03/31 11:02
渡部修斗との対戦を決めた朝倉海。海外進出に向け、ジャパンGPは重要な大会になる
「1回戦の相手は誰もよかったんで」
まずは1回戦、朝倉は渡部修斗との対戦が決まった。初代修斗王者を父に持ち、総合格闘技の老舗競技をそのまま名前に戴いた渡部は現在2連勝中。キャリア23勝のうち14が一本勝ち、その大半がスリーパーホールドだ。通称マジカルチョーク。分かっていてもかかってしまうから“マジカル”だという。
渡部の“極め力”を朝倉はどう制するのか。くじ引きで決まった番号順に自分でトーナメントの枠を決める抽選会、1番手の渡部がGの枠を選ぶと、続く朝倉は迷わずHに入った。といっても渡部と対戦したかったわけではないそうだ。朝倉は言う。
「1回戦の相手は誰もよかったんで、すぐに決まる選手を選びました」
意識する相手、マークする選手もいない。曰く「普通に勝てると思います」。あくまでこのトーナメントは「通過点」だ。
「理想は全部KO、一本。圧倒的な実力差を見せることができれば」
大晦日の負けを払拭する“強い朝倉海”が見たい。そう願うファンは多いだろう。だが対戦相手もそのファンも朝倉が相手となればいつも以上に燃えて当然。出場メンバーを見る限り、気を抜ける相手は1人もいない。実際、よくこれだけの選手を揃えたなと思える顔ぶれ。ここで朝倉が宣言通り「圧倒的な実力差」を見せて優勝したら、2022年の海外進出への期待感は最高潮になる。