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朝倉海が“痛恨の堀口恭司戦”からの復帰戦にジャパンGPを選んだ理由 「誰でもいい。普通に勝てると思います」
posted2021/03/31 11:02
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Norihiro Hashimoto
日本を代表する格闘家の一人として絶大な人気を誇る朝倉海が、東京ドームのリングに立つことになりそうだ。
昨年大晦日、朝倉は堀口恭司とのRIZINバンタム級王座防衛戦でKO負け。堀口にリベンジを許し、ベルトを奪われた。あれから約3カ月。発表された復帰戦の舞台はバンタム級ジャパンGPだ。
これまでRIZINで結果を残してきた選手たちに加え、修斗の現役世界王者・岡田遼やベテラン・今成正和などハイレベルなメンバーが揃った16人トーナメント。榊原信行CEOは「日本最強を決めるにふさわしい16人。団体の兼ね合いもありますが、堀口を除いた日本のベスト16と言っていい」と胸を張った。
1回戦は5月23日の東京ドーム、5月30日の丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館)で4試合ずつ実施、秋に準々決勝、そして大晦日に準決勝と決勝が行なわれる。賞金総額2000万円、優勝賞金は1000万円だ。
「海外で試合することも考えたんですけど」
1回戦の組み合わせは3月26日の公開抽選会で決定。東京、大阪の試合の振り分けはあらためて主催者から発表されるという。ただ朝倉はこのトーナメントの優勝候補筆頭にして興行的な切り札でもある。やはりドームで闘うのではないか。
3月21日の名古屋大会では、榊原からGP出場の公開オファーを受けている。その時の答えが「こんなところで言われたら断れない。東京ドーム押さえてください。それなら出ます」というものだった。
GP出場に関しては悩んだ部分もあった。現在の目標は海外の舞台。RIZINと協力関係にあるベラトールが現実的だが、世界最高峰の団体UFC出場を期待する声もある。
ただ、そう簡単に決められない事情もある。抽選会の席上で朝倉は言った。
「(復帰戦をどうするか)いろんな選択肢があって、海外で試合することも考えたんですけど、コロナ禍でいつ試合が組まれるか分からない。それに左右されるよりも、日本最強を証明した上で海外に挑戦したほうがみんなに注目してもらえるなと」