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朝倉海が“痛恨の堀口恭司戦”からの復帰戦にジャパンGPを選んだ理由 「誰でもいい。普通に勝てると思います」 

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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posted2021/03/31 11:02

朝倉海が“痛恨の堀口恭司戦”からの復帰戦にジャパンGPを選んだ理由 「誰でもいい。普通に勝てると思います」<Number Web> photograph by Norihiro Hashimoto

渡部修斗との対戦を決めた朝倉海。海外進出に向け、ジャパンGPは重要な大会になる

勝ち進めば今年いっぱいは日本人との闘いが続く

 このジャパンGP開催自体、コロナ禍の影響が大きい。外国人選手の招聘に関してはまだ不透明な状況が続く。「外国から選手を呼んでワールドGPを開催するのは、今は不可能ですから」と榊原は言う。

 そんな中でも興行を開催していかなくてはいけない。そこで主催者が打つことのできる最善の手がジャパンGPだった。バンタム級はRIZINで最も選手層が充実している階級だ。堀口が引っ張り、朝倉が台頭し、それを追うように各団体のトップ選手たちがRIZINに集まった。今回のGPは、そうした流れの1つのクライマックスだと言ってもいいだろう。

 決勝戦が大晦日ということは、勝ち進めば今年いっぱいはトーナメントに“拘束”されるという見方もできる。下半期、外国人選手の来日に関する条件が緩和されたとしても、日本人との闘いが続くわけだ。

 ただ、それも今の朝倉には意味があるだろう。なにしろ、大晦日の堀口戦のインパクトが大きすぎた。それで朝倉の価値が暴落したというわけではないが“痛恨の敗北”だったことは間違いない。

 堀口のカーフキックで崩れ落ちる姿を誰もが記憶しているし、今年に入ってカーフキックは立ち技、MMAを問わず“流行技”になっている。3月28日のK-1では、武尊もこの技から試合を組み立てていた。言ってみれば朝倉は業界のトレンドを作った試合の敗者なのだ。

 やはり、まず見せておくべきは本来のポテンシャルであり圧倒的な強さ。“対世界”はそれからのお楽しみでも悪くない。

対戦相手全員が“事実上の決勝戦”と認識する

 ジャパンGP=日本人対決は熱を生みやすいという要素もある。試合の結果は「〇〇より××のほうが強い」という“格付け”を生む。日本に住み日本を主戦場にしていれば、選手同士が顔を合わせる機会も多い。

 ファンも本人も“格付け”を意識せざるをえない場面がしばしばあるのだ。だからこそ負けたくないという気持ちも強くなりやすい。今の時代は会見やメディア上のインタビューだけでなく、対戦相手のSNSも気になる。ファン目線からすれば、盛り上がる要素が多いとも言えるわけだが。

 そしてこのトーナメントでは、ほとんどすべての選手が前王者である朝倉を意識し、ターゲットにしてくるはずだ。対戦相手全員が“事実上の決勝戦”だと思って朝倉に向かってくるような状況。抜群の緊張感が味わえるに違いない。しかもエントリーした選手の中で過去に対戦経験があるのは扇久保博正だけ。どんな相手が来ても、対戦カード自体が新鮮でもある。

【次ページ】 「1回戦の相手は誰もよかったんで」

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