甲子園の風BACK NUMBER
センバツNo.1腕・畔柳亨丞と“球数制限問題” 「準決勝は121球」になっても中京大中京監督が続投させたワケ
text by
間淳Jun Aida
photograph byKYODO
posted2021/03/31 06:00
投手の肩ひじを守るため設けられた「1週間で500球以内」の制限。しかし畔柳のようなケースが起きることが今後もあるだろう
指揮官が考える準決勝のゲームプランとは
畔柳の最大の武器は威力のある140キロ台のストレート。ボールを動かして打たせて取ったり、制球力で勝負したりするタイプではないため、球数を費やし、四球も比較的多い。
球数が制限される準決勝に向け「残り少ない球数になる。限られた球数の中で投げないといけないので、投げられるだけ投げ抜くつもり。自分は球数がどうしても多くなってしまうので、打たせて取るピッチングを次からは心掛けていけたらと思っている」と語る。
一方、指揮官は継投を前提とした準決勝のプランを立てている。
「投手交代で緩急をつけながら、左右でタイプの違う投手の継投をゲームプランにいれていかないといけない。球が多少荒れるのも畔柳の特徴。ある程度、自分のリズムで投げることできている。変に変化球をうまく使って、ストレートに制球力をつけてと言うと本来持っている良さもなくなってしまう」
難しい投手起用を迫られた高橋監督は、どのような采配を見せるのか。中京大中京の難敵は、優勝候補や好投手を退けてきた明豊だけではない。球数制限とも戦うことになる。
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