ぼくらのプロレス(再)入門BACK NUMBER
【独占取材】15歳でデビューから10年、“太陽神”SareeeがついにWWEへ「日本の“ホンモノの女子プロレス”を世界に」
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph byGantz Horie
posted2021/03/31 11:03
渡米が延期になった1年間で多くのことに取り組んだSareeeは、ついにSARRAYとしてWWEの舞台に挑む
「日本の女子プロレスを世界の人に知ってもらいたい」
――結果的に日本での総決算ができたということですね。“日本の女子プロレス”にこだわりがあるからこそ、当初、トリプルHから話をもらったときも、しばらく返事は保留していたわけですもんね。
「そうなんです。声をかけていただいたとき、ちょうど二冠チャンピオン(ディアナのWWWD世界シングル王座と、センダイガールズのワールド王座)で、『これからだ』っていう時だったので、WWE行きを言われても、すぐに『行きます!』とは言えなかったんです。あとは東スポの女子プロレス大賞を絶対に獲るっていう目標も、自分のなかにあったので」
――それはいろんな状況もあり、かなっていないわけですけど、WWEにチャレンジすることで、もっと大きな存在になろうという思いがあるわけですか。
「自分のこともそうですし、あとはWWEという大きな舞台に“ホンモノの女子プロレス”を持っていくチャンスだと思ったんですよ。日本の女子プロレスを世界の人に知ってもらいたいです」
――やはり伝統的な“日本の女子プロレス”の代表という自負もあるわけですね。
「もちろんそうです。私は15歳でデビューする前から、元・全日本女子プロレスのすごい方たちに散々しごいていただいたので、そこは自信を持っていますね。そして私がWWEで活躍することで、業界全体を底上げしたいと思っています」
世志琥とは今後も刺激し合える関係でありたい
――渡米前最後の3カ月くらい、ライバルの世志琥選手と“オニカナ”というタッグで大暴れできたことも、今後のいい糧になったんじゃないですか?
「まさかタッグを組むとは思わなかったですからね。でも、『女子プロレスをもっと盛り上げたい』という思いは一緒だったので。今後もライバルとして刺激しあっていけると思います。世志琥が頑張ってたら、私も頑張らなきゃと思うし、そんな関係でありたいです。いつの日か、またリングで再会できるかもしれないし。今度はもっと大きい舞台でタッグを組んだり、闘ったりしたいですね。それがプロレスだと思うので、できると思います」
――渡米が1年延びたことで、向こうにいくための準備もしっかりとできたんじゃないですか? 例えば、英語の勉強とかも。
「英語の勉強も自分なりに続けていたんですけど、やっぱり日本にいるとぜんぶが日本語なので(笑)。向こうにいったら、最初は言葉の面で苦労すると思いますけど、しっかり世界各国の選手たちとコミュニケーションを取っていきたいですね。
言葉が完璧じゃなくても、コミュニケーションは取れると思うんですよ。ディアナでの新人時代は、外国人選手6人と日本人わたし1人とかで生活していたので。『あの時、どうやって生活してたんだろう?』と今となっては思うんですけど。試合会場に連れていったり、電車の乗り方教えたりしてたので。今回は逆の立場ですけど、その辺、なんとかなると思います!(笑)」