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ダノンスマッシュの高松宮記念制覇で 安田師「ロードカナロアは素晴らしい馬」 1番人気レシステンシアの敗因は?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byPhotostud
posted2021/03/29 11:30
川田将雅を背に高松宮記念を制したダノンスマッシュ。国内GI初制覇を遂げた
ラスト200mは壮絶な叩き合いに
モズスーパーフレアが先頭のまま直線に向いた。
後続が大きく横にひろがって叩き合う。それらの真ん中からセイウンコウセイが抜け出しをはかる。その外からレシステンシアが上がってくる。ダノンスマッシュはそれらの後ろで前が開くのを待っている。
ラスト200mを切っても、内を行くモズスーパーフレアが1馬身ほどのリードを保っている。
馬場の真ん中で叩き合うセイウンコウセイとレシステンシアの間に僅かな隙間ができた。そこを割って、川田のアクションに応えたダノンスマッシュが猛然と伸びてくる。
セイウンコウセイは後退し、今度はダノンスマッシュが外のレシステンシアと馬体を併せて叩き合う。
離れた内では、インディチャンプがモズスーパーフレアに並びかけ、そしてかわした。
ゴールまでラスト5完歩ほどのところで、外のダノンスマッシュとレシステンシアの2頭が、内のインディチャンプより前に出た。
壮絶な叩き合いをクビ差で制したのはダノンスマッシュだった。
「昨年申し訳ないことになっていましたので」
「直線、道ができてからレシステンシアと長く競り合う形になりましたが、最後まで意地を見せてくれて、勝ち切ってくれて何よりです。昨年申し訳ないこと(高松宮記念10着)になっていましたので、国内のGIを獲ることができ、結果が出たことをありがたく思います」
川田がそう話したように、これがダノンスマッシュにとって、JRA・GI初制覇であった。
高松宮記念は、4着だった一昨年、10着だった昨年につづく3度目の参戦。
グランアレグリアが中距離路線に向かったことで空位になったスプリント王の座を、堂々たる勝利で手中にした。