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17年前にイチローが明かしたオリックス時代の「後悔」とは?「“緊張感”を持ってずっとプレーをしていたい」の真意 

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木崎英夫

木崎英夫Hideo Kizaki

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posted2021/03/29 11:04

17年前にイチローが明かしたオリックス時代の「後悔」とは?「“緊張感”を持ってずっとプレーをしていたい」の真意<Number Web> photograph by Getty Images

メジャー通算3089本の安打を放ったイチローは「どんな試合も緊張しますよ」と言い続けていた

維持し続けることはとても難しい

 今、イチローが言ったあの時の"後悔"について、思うことがある。

 2003年の5月だったと記憶している。話が映画に及んだ時だった。ノンフィクションを好むというイチローは、その理由を「事実と映画とのギャップも知りたいんです」と説明した。

 お気に入りの作品を挙げてもらうと、真っ先に出たのはラッセル・クロウ主演の『ビューティフル・マインド』だった。内容の詳述は割愛するが、画期的な理論を発見するために、ひとり研究に没頭する天才数学者のジョン・ナッシュの姿に、共鳴する部分を感じ取ったからではなかったか。事実と映画との間に違いがあるとされる作品だが、紛れもない真実のメッセージがあった――。

 何かに熱中することは容易でも、それを維持し続けることはとても難しい。一つのことに取り組む姿勢を崩さず、イチローは悔いのない野球人生を全うした。

 マーリンズ時代のイチローを覚えているだろうか。

 控えの外野手、そして代打要員として慣れない起用法に苦しみながらも、3000本安打に到達。時のデービッド・サムソン球団社長は「起用法の不満を一度も聞いたことがない」と敬服した。米野球殿堂入りが確実視されているイチローの姿勢はどんな時でも変わらなかった。

 解き及ぶことはもうない。指導者となったイチロー氏が使った"butterflies"は「考えられるすべてをやった」中で覚えていったもの。果たして、底の底まで野球に貫き通したいと思い続けられる選手がマリナーズに出てくるだろうか。

 確かなのは、共に育めるイチロー氏がいるということだ。

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