ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
田中将大からのマルチ安打が「すごく自信に」 DeNAドラ2牧秀悟は“チャモいじり”される愛されルーキー
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byKyodo News
posted2021/03/26 11:00
中央大時代にはベストナイン4度の実績を誇る牧。オープン戦では山本由伸、上沢直之、田中将大らパ・リーグの錚々たる投手からもヒットを放った
「佐野さん、宮崎さん」から教えてもらったこととは
「意識の持ち方は教えてもらっていますが、打ち方に関しては自分のやりたいようにやらせてもらっています。ありがたいことです」
自由だからこそ、任されているからこそ、自らを戒め結果を出さなければいけない。だから牧はキャリアに長けた先輩たちに積極的に話を聞いている。
「佐野(恵太)さんからは『自分のバッティングを知った方がいい』とアドバイスをいただき、同じ右の宮崎(敏郎)さんには、何を意識してバッティングしているんですかと訊いたら『力を入れない。どんなボールであっても力んだらダメになる』と言われました。僕も全身に力が入ってしまうと調子がわるくなるのですごく参考になっています」
普段はメチャクチャ明るいポジティブ人間
まだ22歳の牧ではあるが、グラウンド内での佇まいはベテランのような落ち着きさえ感じさせる。しかし本人いわく「普段はめちゃくちゃ明るいポジティブ人間ですよ。真面目なのは野球をしているときだけです」と笑顔で言い、そんな性格ゆえに明るいDeNAのチームカラーにすっかり馴染んだという。
「佐野さんからは結構いじってもらいますし、大先輩であれば大和さんや歳の近い先輩なら伊藤裕季也さんとかよく話をさせてもらっています。年齢に関係なくフランクに接してくれる方ばかりなので、本当いい雰囲気のなかやらせてもらっていますね」
ロペスのような出で立ちで「チャモ、チャモ」と
本来のポジションはセカンドだが、主力のネフタリ・ソトの来日が遅れたため、牧は練習試合やオープン戦でファーストに入ることが多かった。背番号2の体格のがっちりとしたファーストといえば、昨年までDeNAに所属していたホセ・ロペスを想起し、その出で立ちはどこか重なるようでもある。
「キャンプのときチームメイトの方々に『チャモ、チャモ』といじられ、皆さんと距離が近づきました。ロペス選手は、本当に素晴らしい選手だったと思います。しかし今シーズンから僕が2番を背負う以上、いずれ『2番は牧秀悟だ』と言われるようにしたいですね」
競い合いの世界であり誰かと比較されるのは仕方がないことであるが、牧は揺らぐことなく自分の道を歩む。それは阪神に入団しオープン戦で話題をさらった同期の佐藤輝明に対しても同様だ。