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錦織圭“世界ランク81位の24歳予選上がり”に敗北…「完全復活」に足りなかった“たった1つのピース”とは?

posted2021/03/22 17:00

 
錦織圭“世界ランク81位の24歳予選上がり”に敗北…「完全復活」に足りなかった“たった1つのピース”とは?<Number Web> photograph by Getty Images

ドバイ選手権でロイド・ハリスに敗れ、2年ぶりのベスト4入りを逃した錦織圭

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長谷部良太

長谷部良太Ryota Hasebe

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 ドバイ選手権、準々決勝。錦織圭は初対戦だったロイド・ハリス(南アフリカ)に1-6、6-3、3-6で競り負けた。相手は世界ランキング81位の予選勝ち上がり。こう紹介すると「実力が下の相手に負けたのか」と思われるかもしれないが、待ってほしい。24歳のハリスは前週にドーハでスタン・ワウリンカ(スイス)を破り、ドバイの2回戦でもドミニク・ティーム(オーストリア)にストレート勝ち。ティームが本調子ではなかったとはいえ、グランドスラム王者の連破は急激に力を伸ばしている証拠だ。

 さらに、ドバイのハードコートは球足が速く、時速210キロを超えるハリスのサーブは威力を増した。錦織戦のサービスエースは14回。試合後、錦織は「背が高く、サーブがいいし、よく動く。こういう速いサーフェスだと非常に危険な選手になれる。彼がいずれトップ20、トップ10に入るのは間違いない。ランキングよりもたぶん(今の)実力は上」と実感を込めた。

 もちろん、錦織にもいくつか反省点はあった。

いきなり乱調……5ゲームを連続で失う

 まずは第1セット。いきなり乱調から始まった。第2ゲームのサービスゲームでフォアハンドのショットがベースラインを大きく越え、3回戦までで2回しか出ていなかったダブルフォルトも飛び出すと、最後はハリス得意のフォアの強打で崩されてブレークされた。その後はラケットを交換するがショットの感覚は戻らず、5ゲームを続けて落とした。

 第2セットは別人のように立ち直って奪い返したが、最終セットも悔やむポイントがあった。第1ゲームのブレークチャンスでバックハンドをミス。第7ゲームで再び訪れたブレークチャンスは、ハリスの高速サーブでしのがれた。テニスにミスはつきもの。その意味ではショットの失敗が出るのはある程度は仕方ない。筆者はサーブでしのがれた場面が気になった。少し詳しく記述したい。

【次ページ】 乱調の理由は「全くわからない」

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