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錦織圭“世界ランク81位の24歳予選上がり”に敗北…「完全復活」に足りなかった“たった1つのピース”とは?
text by
長谷部良太Ryota Hasebe
photograph byGetty Images
posted2021/03/22 17:00
ドバイ選手権でロイド・ハリスに敗れ、2年ぶりのベスト4入りを逃した錦織圭
「だいぶ自信はついてきた。コートに入る時に、あんまり心配はなくなった。この3週間で吹っ切れて(心配が)なくなった。今週はプレーも上がってきていたので、もうちょっといけたら良かったですけど、この敗戦も経験として反省したいなと思います」
「(復活に向けて)正しい道を歩んでいる」
錦織が1大会で4戦もするのは久々で、2019年7月のウィンブルドン選手権以来だった。あの時は、準々決勝でロジャー・フェデラー(スイス)と激突。錦織はセットを先取したものの、その後は「芝の王者」に押し返された。試合後の記者会見で「光が見えなかった」と悔しそうに言ったのを、よく覚えている。
その年の全米オープンを3回戦敗退で終えた後、右肘の手術を受けて残りのシーズンを休養した。昨年は新型コロナウイルスの影響によるツアー中断などもあり、復帰は9月までずれ込んだ。しかし、秋開催の全仏オープンで右肩を痛め、再び休養。気づけば彼も、もう31歳になった。フェデラーと対戦した際に7位だった世界ランキングは一時、45位まで落ちた。
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そこから這い上がり、今は再びトップ10に戻るために前進を続けている。その足取りは軽やかだ。
「(復活に向けて)正しい道を歩んでいる。リフレッシュして、マイアミに向けて準備したい」
次は本拠地を置く米フロリダ州で行われるマイアミ・オープン。コツコツと実戦を重ね、勝利を重ねていくことが、完全復活への何よりの近道となる。