競馬PRESSBACK NUMBER
阪神大賞典出走アリストテレス、“コントレイルのクビ差2着”の実力は? ルメールが明かすAJC杯で感じた問題点
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph byKyodo News
posted2021/03/20 17:00
昨年の菊花賞で無敗三冠を達成したコントレイルと接戦を繰り広げたアリストテレス(右)
未勝利戦以来の騎乗のルメールは
体は更に増えて474キロ。プリンシパルSの時には454キロまで減った体が20キロ増。デビュー以来、最も大きな数字を記録した。この馬体重に関して、ルメール騎手は次のように感じていたと言う。
「未勝利戦以来の騎乗でしたけど、当時と比べて明らかに成長していると感じました」
実際、この体重が太かったわけではなく成長分だった事をアリストテレスは結果で示す事になる。
ADVERTISEMENT
ゲートが開くと7~8番手を追走したルメール騎手&アリストテレス。そのすぐ前にいたコントレイルの手綱を取った福永祐一騎手は後に「クリストフにプレッシャーをかけ続けられて力んでしまいました」と苦笑したが、当のルメール騎手に言わせると「そんな気はありませんでした。僕が9番枠でコントレイルが3番枠だったので、マークをしようという気持ちはあったけど、決してプレッシャーをかけようというつもりではありませんでした」との事だ。
乗っている身としては外から見るより遠かった
最後の直線ではこの2頭が激しい競り合いを演じる。しかし、これにはルメール騎手が首を振りながら次のように思い返す。
「コントレイルが動いた時に一瞬、置かれてしまいました。結局その差を最後まで詰める事が出来ませんでした。外からは健闘しているように見えたかもしれないけど、乗っている身としては最後まで一度も捉まえられると感じないままでした」
結果はクビ差届かずの2着。コントレイルが3冠を達成するのに花を持たせる存在となってしまった。
「コントレイルは本当に強い馬です。あれだけ善戦出来たのは素晴らしい事。何も悲観する結果ではないと思いました」