セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
「レアルはミスしないんだよ」CLでアタランタが味わった力負け… それでも「俺らは攻めるサッカー」を貫く
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byGetty Images
posted2021/03/19 11:00
レアル・マドリーとの差は如実だった。それでもアタランタは前を向く
苦い思いを無理やり飲み込んで、本当はしゃべりたくないはずなのに、ガスペリーニは指揮官として矢面に立つ義務がある。試合直後のイタリアSKYの中継番組で「悔いがある」とくり返した。
「パスはサッカーの言葉だ。その言葉がつながらなければチームは意思疎通ができない。プレーにならない。今夜の試合だけじゃなく、2試合を通してもっとできたはずだった。もっとうまくやりたかった」
「それでも、私は攻めるサッカーで」
カルチョのご意見番カペッロは「守備力に差があったのは明らか。改善しなければ上にはいけない」と冷徹に指摘した。うなだれたガスペリーニは「おっしゃる通りだ」と先達の意見を賜りつつ、半ば震える声を振り絞った。
「それでも、私は攻めるサッカーで上を目指したいのだ」
さあ、帰ろう。小さな田舎町へ。
シーズンはまだ残っている。
来季もCLの舞台へ戻るための戦いが、アタランタを待っている。