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指導者にならないJリーガーは何をする? 徳永悠平が麦わら帽と長靴姿でスイートコーンを栽培するワケ 

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石井宏美

石井宏美Hiromi Ishii

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photograph byYuhei Tokunaga

posted2021/03/17 11:01

指導者にならないJリーガーは何をする? 徳永悠平が麦わら帽と長靴姿でスイートコーンを栽培するワケ<Number Web> photograph by Yuhei Tokunaga

昨季限りで現役引退した徳永悠平。現在は家業を手伝う傍ら、土日は「TOKUファーム」で農業にチャレンジしている

後輩たちの道しるべの1つになれば

 自身のインスタグラムにアップしている農業チャレンジを見たかつてのチームメイトや仲間たちからは、早速「自分もやってみたい」というポジティブな反応が寄せられているという。

「可能性の1つとして示すことができれば」

 新たなビジネスを展開するという希望のなかには、サッカー選手のセカンドキャリア支援も含まれている。

 自身の若い頃に比べると最近の若い選手は、サッカーはもちろん、それ以外に何をやりたいのか明確に考え、実際に行動に移している選手もいるという。しかし、一方で、何かやりたいと意思を持ちながらも、実際に何をやっていいのか分からない選手が多い現実もある。セカンドキャリアに漠然と不安を抱えているけれど、どう動いていいのか分からないという選手もいる。そういった選手をサポートする1つの方法として、率先して動くことやチャレンジすることの大切さを感じ取ってほしいと、自ら動き始めた。

子どもたちとの交流の場

 さらに徳永さんは、Zoomを使って小学生の子どもたちと交流する活動も行なっている。

「子どもたちにはサッカー選手と話をすることで夢を持ってもらい、逆に選手にとっては、そこで自分の思いを伝えることで、応援してもらえるきっかけになると考えたからです。現役を引退してサッカー以外のことを始めるときも、もしかしたらそちらの道でも応援してくれる存在になるかもしれない。何につながるかは分からないけれど、そこから何か広がればと考えました」

 引退後はJリーグのクラブでアカデミースタッフやスクールのコーチとして第二の人生を歩むものもいる。それ以外にも解説者になるものや家業を継ぐもの、自ら会社を起こしたりと実に様々だ。セカンドキャリアの選択肢がより増えるようにというのが徳永さんの願いだ。それが後輩、さらにはサッカー界のためになると信じて、今後も人脈やネットワークを構築し、ビジネス経験を積み重ねていく。

「今は思いつきでやっている部分も多いけど、それでもやらないと見えてこない。農業もそうだし、これからいろいろなことをやりながら、感じたり、新しく知ることがたくさん出てくると思います。その中でたくさんの人とも出会う。とにかく、“動くこと”を意識してチャレンジしていきます」

【次ページ】 「今日も楽しいことが待っている」

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