2020年M-1・全員インタビューBACK NUMBER
「アキナやからし蓮根なんて女子アナと結婚してるんすよ」“東京芸人”ウエストランドが語るM-1「悪口ネタ」の原点
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byShigeki Yamamoto
posted2021/03/14 11:01
ウエストランドの井口浩之(左)と河本太。M-1決勝は今回が初めてだった
河本 どうせ駄目だろうと思っちゃ駄目なんですけど思っていたので。しかも最後でしたし。ボケっとしていて、反応が遅れました。ただ、僕もホッとしました。嫁と子どもにも「やめろ」って言われ続けてきたので。これでもうちょっと続けられるなと。
――2年前に奥さんに逃げられたというのは、実話なんですよね。
河本 はい、去年の6月に帰ってきたんですけど。
井口 今回は、それがいちばん大きかった。こいつ、嫁に逃げられてから生活が荒れていたので。遅刻したり、仕事を休んだり。でも生活が安定し、規則正しい生活をするようになって、そういうこともなくなった。お陰で僕もストレスから解放されました。前までは「あいつ、今日は、ちゃんと来るかな……」という心配が常にあったので。それがなくなっただけでもよかった。
河本 決勝進出が決まったとき、嫁に「これから取材とかあるんで遅くなる」って電話したんですけど、「どうせ、うそでしょ。早く帰ってきなさい」みたいに言われました。芸人と飲みに行きたいから嘘ついてると思ったみたいで。嫁は芸人を憎んでますからね。でも、その10分後くらいに「ほんとだったんだね。がんばって」ってメールが来ましたけど。
――決勝が決まってから本番までの日々が楽しくて仕方ないという話をよく聞きますが。仕事も増え、いろんな人が応援してくれて……。
井口 でも、コロナ禍の最中だったので、何もできなくて逆につらかった。飲みにも行けないので、チヤホヤされることもない。それより何より、自分がコロナにかからないようにピリピリしていましたから。うがい薬を持ち歩いて、常に手洗い、うがいをしてました。事務所のみんなで徹底して。そのプレッシャーがすごかった。
――コロナにかかったら、せっかくのチャンスが水泡に帰すわけですからね。
井口 それだけは嫌だったので。ただ、M-1が終わって、そのプレッシャーから解放された途端、急にホッとしてしまって。2人してコロナにかかってしまったんです。
河本 その節は、本当にお騒がせしました。
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(写真=山元茂樹)
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