“変化しない”のも川崎の強さ… ジェジエウのカバーリングが“ファンダイクみたい”【次戦クルピと師弟対決】

　前哨戦となったFUJI XEROX SUPER CUP 2021では、前年度2位のガンバ大阪に3対2の劇的勝利。続くJリーグの開幕戦では、一昨年にリーグを制覇した横浜F・マリノスを2-0で撃破した。難敵をねじ伏せたその内容から、「王者、今年も強し」を印象付けたスタートを切ったと言っていいだろう。

2019年のJ1王者マリノスに完勝した©Getty Images

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　だが指揮官である鬼木達は、ごく冷静だ。

　目を向けたのは、自分たちに対する包囲網ではなく、あくまで自分たち。公式戦2試合を終え、今季の舵取りの方向性を掴んだようだった。

「相手うんぬんで、考えてはいけないシーズンだと思っています。こういう対策をしてくるかなと、いろんな予測を持って入ろうとしてましたが、フォーカスすべきは自分たちなんだろうなと感じました。もちろん、まだゼロックスと開幕戦のマリノスだけですが。いろんなものに振り回されるのではなく、自分たちは自分たちらしく、だと思います」（鬼木監督）

モデルチェンジよりも「積み上げ」

――自分たちは自分たちらしく。

　言ってしまえば、これがリーグ連覇を狙う王者のスタンスなのだろう。今季、チームの戦い方に大幅なモデルチェンジは行われていない。

　4-3-3の配置を継続し、ボール保持率を高めながら、緻密なパスワークとコンビネーションで攻め込んでいく。守備ではハイプレスを基調に、敵陣でボールを即時奪還する。そうした攻守の切り替えとハードワークの強度をより高めて、絶対的強者としてゲームを支配し続けていく。

　もちろん、いくつかの微調整は施されているが、ベースとなっているのはあくまで去年のスタイルだ。鬼木監督が口にしているフレーズも「積み上げ」である。

大きく変化しないのも強さである

　去年、あれだけの強さと結果を叩き出してもなお、「まだまだ自分たちは発展途上」とシーズン中から指揮官は言い続けてきたのだから、この継続路線は当然でもある。指揮官が代わった他チームのような劇的な変貌は遂げていないが、だからこそ、熟成していくものもある。すぐに大きく変化しないのも、また強さだ。

　そんな継続の強さを示したのが、開幕戦となった横浜F・マリノス戦だった。

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