欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
破産で4部降格から9年、30戦無敗&わずか9失点… ジェラードがレンジャーズで名将化【リバプール帰還なるか】
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph byGetty Images
posted2021/02/27 17:01
ジェラード率いるレンジャーズがスコットランドとELの舞台を密かに席巻している
30戦26勝4分け、73得点9失点のすごさ
ライバルに18ポイントもの差をつけて首位を独走するレンジャーズ。指揮官はスティーブン・ジェラードである。
リバプールのレジェンド率いるチームはなんと開幕から30戦無敗(26勝4分)。さらに得点はリーグトップの73、そしてここまでわずか9失点しか喫していないのだ。
本稿執筆時点ではあと7ポイントで10年ぶりのリーグ優勝が決まる状態にある。
ADVERTISEMENT
ELではラウンド16に進出。レンジャーズは予選2回戦から大会に参加しているが11試合を戦っていまだひとつも負けていない。というより今季全公式戦において、リーグカップのセント・ミレン戦が唯一の敗北なのである。
チームを支えるCBと超攻撃型SBの主将
30試合9失点、クリーンシート22回の堅守を支えるのはチームで唯一リーグ戦全試合フル出場中のセンターバック、コナー・ゴールドソンである。
空中戦の強さはもちろん、対人戦やラインコントロールにも長けておりディフェンスリーダーとしての実力は申し分ない。
加えて正確なロングフィードも大きな特徴で、最終ラインから一瞬でチャンスメイクすることができる。攻守において多大な存在感を示すプレーヤーだ。
他にキープレイヤーを挙げるとするならば、主将のジェームズ・タバルニエだろう。
右サイドバックというポジションながらリーグ戦ではチームトップの11ゴール(うち6ゴールがPK)、そしてアシストもチームトップタイの9つ。PKやセットプレーのキッカーを務めるほど精度の高いキックが持ち味でクロスの質も高い、超攻撃型のサイドバックだ。
その実力はジェラードが「トップレベルだ。カイル・ウォーカー、グレン・ジョンソン、スティーブ・フィナンなど素晴らしい攻撃的な右サイドバックとプレーしてきたが、彼もその中に入る」と称賛したほど。これほど説得力のある言葉があるだろうか。