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朝食にパン6枚、正月は巨大カニ…“令和の怪物“佐々木朗希19歳の素顔「ボクもどんな1年になるか楽しみ」
text by
梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph byJIJI PRESS
posted2021/03/01 11:02
春季キャンプでウォーミングアップする佐々木朗希。その素顔は19歳の青年そのものだ
いつのまにか「怪物」になった
高校2年時には150キロを超えるストレートを投げ込む大型右腕の評判が全国に広まり、3年時になると160キロを超える剛速球を投げる投手として一大フィーバーが起こる。ワイドショーや週刊誌にも取り上げられるなど、令和の怪物の異名が定着し注目の的となった。普通の少年はあっという間に怪物と評され、メディアに追っかけられ、報道は過熱の一途を辿り、今がある。本人は戸惑いながらも、しかし自分を見失わず生き、今もあどけない笑顔は残したままだ。
「身長が大きいのは夜更かしをせずに寝ていたから! 小学生の時は20時には必ず寝ていました。これは間違いないです。今でも睡眠時間の確保は最優先にしています」と190センチ右腕はその理由を当たり前のように語る。
確かにキャンプ中も出来れば20時にはベッドに入り、ウトウトと眠りにつくと、朝は5時に起きてストレッチをしたりとゆっくりとコンディション作りを行う日課で過ごしていた。
ある日はキャンプ中に見た夢を語ってくれた。「12分間走のメニューがある前日に12分間走を終えた夢を見ました。ギリギリ目標を達成して『よっしゃあ 終わった』と思っていたら夢だった」と笑う。キャンプ休日の朝食会場では食パンの上に様々なフルーツやジャムをのせ、「ボクの朝食 オシャレかつ盛り付け上手でしょう!」と自慢げに披露し食パンを6枚、ペロリと平らげた。
頭に描いていることを言語化できる人間に
そんなお茶目な一面を持つ背番号「17」はじっくりと一段ずつプロの階段を登っている。どうしても周囲は期待が高いがゆえに令和の怪物のデビューを今か今かと注目しているが、その中で自分を見失わず毎日、テーマを作り日々を過ごし成長をしている。
ストレートばかりに目がいきがちではあるが変化球の精度を上げたり、制球力に磨きをかけることも忘れてはいない。体幹の強化やいかにして体の疲れを回復していくかにも興味を持つ。もっとも大事にしているのはイメージ通りに体を動かし、思い通りの球を投げること。それは会話にも相通じる。
「暗黙知と形式知ですね。自分が頭に描いていることを言語化できる人間になりたいですし、それが憧れです。まだまだぜんぜん自分の思っていることを言葉に出来ない。それがもどかしいし、そういう存在でありたいと思います」
そう言うと、憧れのイチローさんのYouTube動画での発言を見て、その名言の数々に刺激を受け、勉強を繰り返す。理想とする頂はピッチングもそれ以外も高いところにある。