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【三笘薫×増田啓介】“自称ガリガリ”な川崎の2人が語るサッカーとバスケのドリブル論 共通点は「視野」と「スピード」

posted2021/02/24 11:03

 
【三笘薫×増田啓介】“自称ガリガリ”な川崎の2人が語るサッカーとバスケのドリブル論 共通点は「視野」と「スピード」<Number Web> photograph by L)B.LEAGUE   R)J.LEAGUE 

盛り上がったドリブル論。互いにその力を認め合い、刺激を得たようだ

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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 同じ筑波大学出身で、同じ23歳。同じ川崎をホームタウンに置くプロスポーツチームで活躍する川崎フロンターレの三笘薫と川崎ブレイブサンダースの増田啓介の対談、全2回の後編です(前編から読む)。

――サッカーとバスケ、競技こそ違いますが、お二人のプレーの共通項を探すなら「よく見えているな」と視野の確保による判断の良さがあるように思います。

三笘 ボランチの選手なら360度見なきゃいけないですけど、僕はサイドなので180度。ボールを受ける前にある程度、相手と味方の位置は把握しやすいというところはあると思います。ドリブルの姿勢がいいとはよく言われますね。背筋が伸びている感じもあって“周りもよく見えているんじゃないか”と思われているのかな、と。スルーパスは小さいときから得意ではありましたけど、視野の広い選手と比べれば全然まだまだです。

増田 僕もチームスポーツなので、どこの場所がフリーになっているとか、一瞬の隙とか、そういったところは常に意識はしてプレーしているつもりです。

三笘 マッスーで言えば、頭のいいプレーというか周りも見えていて視野が広いんだなっていう印象は確かにある。

増田 自分の視野が広いかどうかは分からないけど(笑)。僕も三笘くんの映像を見るけど、やっぱりドリブルがめちゃくちゃ凄いよね。相手がいてもバーッと抜けていって密集地帯からいいクロスを上げているし。

三笘 2人ともスピードがめちゃくちゃあるタイプではなさそうに見えて意外に速いのかなって。マッスーはボールを持ったら姿勢良く、スーッと前に運ぶイメージがある。ボールフィーリングに自信があると思うし、そのうえで周りを見るところが活かされていると思う。それは似ているところなのかな、と。

増田 そう言ってもらえるとうれしい。

2人が口をそろえる「良い姿勢」

――相手との駆け引きで意識している部分はありますか?

三笘 顔を上げて姿勢よくプレーした上で、選択肢を持つことを意識していますね。相手に“コイツ、プレーの選択肢がない”と思われてしまったら、自信を持って飛び込まれることだって多くなる。でも自分の視野を確保して周りが分かってさえいれば、ボールを扱う時間が長くなるし、相手にも“コイツ、何やってくるんだろう”っていう雰囲気を出せる。そこはマッスーも同じなんじゃないかなって思いますけど。

増田 三笘くんが言ってくれたことはよく分かります。密集地帯に自分で入っていったときに、どれだけスピードをコントロールできるかというところは。

三笘 分かる。

増田 全力で入り過ぎてしまうと結構視野が狭くなってしまうんですよ。イメージとしては7、8割くらいのスピードで入って視野を確保しつつ、そこで抜けたり、パスしたりというところは意識しているかな。

三笘 バスケはトラベリングがあるから2歩以内でやらなくちゃいけない、その難しさがあるよね。サッカーはフリータッチなので、言ってしまえば何回もタッチして変えられるけど、バスケの場合は途中で変えられない。だから最初にプレーを判断する能力が高いんじゃないかって思う。どこにボールを運んでいくとか、相手との距離がどうだからとか、サッカーよりも最初のところが凄く大事なんじゃないかって。

増田 目の前の相手を倒すための駆け引きというのは結局バスケもサッカーも似ているよね。

三笘 バスケのほうが1対1の場面が多いし、個人のスキルで上回ればチームの成果に直結する感じがある。マッスーのプレーはバリエーションもあるし、相手からすると“何してくるか分からない”ってところが凄いんじゃないか、と。

増田 サッカーとバスケの違いで言うと、1点の重み。相手も必死になって点をやるまいとしているのに、三笘くんは相手と駆け引きしてゴールを決め切っている。そこは自分も見習いたい。

【次ページ】 「ゴールのほうがちょっと好きになりました」

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