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【三笘薫×増田啓介】“自称ガリガリ”な川崎の2人が語るサッカーとバスケのドリブル論 共通点は「視野」と「スピード」
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byL)B.LEAGUE R)J.LEAGUE
posted2021/02/24 11:03
盛り上がったドリブル論。互いにその力を認め合い、刺激を得たようだ
「ゴールのほうがちょっと好きになりました」
――イメージどおりにゴールまでたどりつくと納得度もまた違うのでしょうか? 三笘選手で言えば昨年8月のセレッソ大阪戦で小林悠選手にパスを出して預けて、リターンでもらってゴールというまさにそのような場面だったと思うのですが。
三笘 中を見たときに悠さんが動いてくれて相手もついていったので、その瞬間に僕がフリーになるなと分かって、リターンをもらうことができた。トラップからのシュートも、イメージどおり。サッカーというのは本来、理想から外れていくスポーツだと思うんです。相手がどう動いてとか、自分のトラップがどうなってとか(理想とは)違ってくるので。でもあのときは理想そのものでしたね。
――増田さんはどうでしょうか。昨年11月の千葉ジェッツ戦ではキャリアハイの23得点を叩き出しています。
増田 チームの戦術どおりに決まるとチーム的には一番盛り上がりますよね。みんなでイメージを一致させてゴールになると、チームも勢いづきますから。
――ゴール、アシストともにこだわりを感じますが、どちらがうれしいってありますか?
増田 同じくらいですね。パスを出して味方が決めてくれるとうれしいし、自分が決めたときももちろんうれしい。でも一番は、勝ったときです。
三笘 僕はアシストも好きなんですけど、プロになってゴールのほうがちょっと好きになりましたね。ゴールを決めないとスコアラーにはなれなくて、たとえ内容が悪くても結果を出すことで認められてきたところもありますから。ゴールに対する執着は大学よりも増しています。そのうえでアシストも重要。割合で言ったら6対4か、7対3でゴールですかね。
ガリガリでも倒れない
――共通点をもう一つ挙げるとすれば増田選手も三笘選手も体は細身ですが、接触プレーに強い感じがあります。
三笘 小さいときからガリガリだったんで、大学時代にはウエイトトレーニングを結構やりました。体幹を鍛えつつ、足のスピードも上げながらいろんなトレーニングをやってきたつもりです。細く見えて、意外と倒れていないなとは思うんですけど、まだまだですね。そこがないとドリブルも活きてこないんで、これからも強化するポイントです。
増田 自分も結構ガリガリ(笑)。大学までポジションがインサイドだったので接触プレーはどのみち多かったんです。今はペリメーターになってどちらかと言うと(接触が)少なくなりましたけど、インサイドの経験が活きているのもあるし、むしろ接触プレーは好きなほうなので得意分野だとも思っています。