酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
今永昇太に山崎康晃、三上朋也や田中健二朗の鋭い眼光… 仁志敏久監督とDeNAファーム春季キャンプの充実ぶり
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKou Hiroo
posted2021/02/23 17:04
主力クラスの選手が数多くいたDeNAファームのキャンプ
「球団の方がいろいろと対応してくれていますから、我々が特にすることはありません。選手もストレスがないわけはないでしょうが、不幸中の幸いはファーム選手はホテルでは一人部屋にいられるということですかね。比較的自分の時間が取れるのかなと思います。それでもストレスはあるでしょうが、外に出ることができないのはキャンプが始まるときからわかっていたことなので、選手たちは納得しているでしょう。嫌気がさしていることはないと思います」
「できるだけ早い時期に……」
――ファーム監督としての2021年の目標は?
「基本的には、一軍でレギュラーになる選手をできるだけ早い時期に作るのが目的です。そして勝つことに対する工夫、知恵をもってゲームに臨んでほしいということです。僕らも勝つことを考えて采配し、指示を出しますが、選手たちも自分で判断し、選択してプレーを一つ一つ組み立ててくれればいいと思います。
もちろんファームだから負けていいということはないですし、負けることに慣れた選手が強いチームを作ることは考えられないですから、いつでも勝てる方法を模索するような選手になってほしいなと思います」
モチベーションを高める指導法を評価されるだけに
理知的で冷静な言葉が返ってきた。アマチュア野球の指導者時代、仁志監督の講演を何度も聞いたが、一人ひとりの選手に接してそのモチベーションを高め、能力をアップさせる指導法は高く評価されていた。
その指導法がプロでも発揮されるとすれば、新生DeNAの今季は、新たな人材が台頭するのではないか。