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「イチロー・チルドレン」など続々放出…マーリンズ・ジーターCEOの“非情な改革”はいよいよ実を結ぶか
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byGetty Images
posted2021/02/19 11:00
昨年のスプリングトレーニングで記者会見を行うマーリンズのデレク・ジーターCEO。昨年1月には野球殿堂入りも果たした
実際、17年にマーリンズでリーグMVPを獲得したスタントンは2014年からの13年総額3億2500万ドル(約341億2500万円)の契約がヤンキースに引き継がれ、ブルワーズで18年MVPに輝いたイエリチも20年3月にブルワーズと9年総額2億1500万ドル(約225億7500万円)の超大型契約を結んだ。
今オフ、FAで契約したオズナ、リアルミュートを含めた「元マーリンズ」の4人が現在結んでいる契約は、総額7億2050万ドル(約763億7083万円)。
もはや、天文学的な数字と言っていい。
ジーターらが球団を買収した理由
ジーター氏にとって就任3年目となった昨季。マーリンズは新型コロナウイルスの集団感染に見舞われながら、03年以来、17年ぶりとなるポストシーズン進出を果たした。カブス相手のワイルドカード・シリーズでは2連勝。地区シリーズでこそブレーブスに敗退したものの、着実な戦力アップを実証した。
その中心となったのが、昨季6勝を挙げたパブロ・ロペス(24)、サンディ・アルカンタラ(25)、シクスト・サンチェス(22)、ダニエル・カスタノ(26)ら、快速球を武器にする若手投手陣。いずれも、ジーター氏の就任後、主力らのトレードで獲得した有望選手だった。
ジーター氏は、ファンとの対話集会で「私たちはお金を失い、そして試合に負け続けるために球団を買収したわけではない」とも言った。
迎えた今季。
ヤンキース時代から親交の深いキム・アング氏を、球界初の女性GMとして招聘した。
頭脳明晰かつ冷静な判断力で知られ、世界一の味を知る「キャプテン」が、CEOとして慧眼の持ち主だったのかは、近い将来、結果が物語るに違いない。