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【58歳に】高校生の八村塁も憧れた、負けず嫌いの神様ジョーダン…コービーを“挑発”した逸話の本心
posted2021/02/17 17:00
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
BUNGEI SHUNJU
<名言1>
ビール腹は、リラックスできること、何も構わないでいることを象徴している
(マイケル・ジョーダン/Number435号 1998年1月6日発売)
◇解説◇
1998年、キャリアに迫る「引退」について聞かれた際のジョーダンの言葉の一節だ。
84年のNBAデビュー以降、偉大な記録を打ち立ててきたジョーダン。瞬く間に階段を駆け上がり、バスケットボール界のみならず、世界中の人々から注目されるプレッシャーは、凡人では決して理解し難いものだろう。毎日のように厳しいトレーニングを自ら課し、「人々が僕に対してどういうイメージを持っているか」ということに常に気を遣ってきたと現役生活を振り返った。
「ビール腹になるということは、僕にとって、君たちが僕のことをどう考えようと気にしないことなんだ。引退したら、とにかくリラックスして、人生を楽しみたいと思っている。<中略>復帰?それはない。もしビール腹になったら、もうおしまいだと自分でもわかるからね(笑)」
しかし、「ビール腹=解放」を望んでいたはずだったジョーダンは、2001年に当時共同オーナーを務めていたワシントン・ウィザーズを救うため2度目の現役復帰を果たしている。スーパースターの性分はそう変えられないということか。
フィル・ジャクソンとの絆
<名言2>
なんと、素晴らしい最後だったことか。なんと驚くべき物語だったことか
(フィル・ジャクソン/Number1000号 2020年3月26日発売号)
◇解説◇
「これまでずっと、フィルが僕のコーチでなければ辞めると言ってきた。フィルは今年が最後のシーズンだと言っているから、僕にとっても今年が最後のシーズンになるだろう」(Number435号より)
バスケットボールの神様、マイケル・ジョーダンは1998年シーズン終盤、信頼を置く指揮官フィル・ジャクソン(シカゴ・ブルズ)と共に身を引くことを示唆した。事実、この年がジョーダンにとって最後のNBAファイナルとなった。
35歳となっていたジョーダンは、全盛期ほど高く跳ぶこともなく、以前よりも試合後の体力回復には時間がかかるようになっていた。それでもコートに立てば誰にも劣ることはない。最後は、自らスティールしたボールを運んだ華麗なジャンプショットで自身6回目の優勝を手繰り寄せている。
試合後、ジャクソンは稀代のスーパースターに最大級の賛辞を送っている。
特別なユニフォームと特別な指揮官ともに有終の美を飾ったのだった。