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【プロ野球キャンプ】宮崎が誇る面白混沌スーパーの “逆転満塁ホームラン餃子” ホークスの餃子王子もびっくり?
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byHidenobu Murase
posted2021/02/15 17:00
餃子王子ことホークス大竹耕太郎もきっと食べたい宮崎のスーパー、ナガノヤ・ウメコウジの「逆転満塁ホームラン餃子」
「僕は野球が大好きでね。プロ野球は宮崎県民にとって、とても重要な県威発揚の大イベント。キャンプ自体は開催されているとはいえ、観に行けない、人も町に流れてこないとなると、やっぱり気持ちは沈みがちになってしまいますよね」
ニシタチのマスターは小学4年生で野球ひじとなり早すぎる引退を経験したが、今でも野球への愛は変わらない。キャンプを観に行けない喪失感は何物にも代え難い辛さだとか。
「まぁ、正直、野球どころじゃないですけどね。宮崎の飲食店は一日4万円の休業補償が2月7日で終わってしまったので、これからさらに厳しくなると思います。我慢のときですよ。でも嘆いてばかりでもしょうがないでしょう。こういうときは気持ちを強く持つためにもギョーザでも焼いて元気になるしかないですよ。今、宮崎の明るい話題はギョーザ。これですからね」
ギョーザ。唐突だ。どうしたのか。おなかすいちゃったのだろうか。
「宮崎市はですね。なんと、2020年の全国餃子“購入頻度”で宇都宮・浜松の2強を抑え、1位になったんですよ! 上半期では1位だった購入額では2強に逆転されて3位になってしまいましたが、その差はわずか。宮崎のギョーザがいよいよ全国区となる日が来たということです」
マスターからもらった名刺の肩書きには“宮崎ギョーザ王子”とある。
王子。どういうことだ。50手前のオッサンなのに。
持ち帰り文化が発達する宮崎ギョーザ
「えー、これはですね。うますぎる宮崎のギョーザを私が勝手にプロモーションしているだけのことなんですけどね。全国的には無名かもしれませんが、宮崎県民はギョーザが大好き。特筆すべきは“持ち帰り餃子”の文化が発達していることなんです。外出する際には手土産を持って行く習慣がありますし、複数子供がいる家庭も多い。なので、家で食べられる“持ち帰り”が重宝されるようになったのでしょう。そこへきてのコロナ禍です。昨年一度目の緊急事態宣言が出た4、5月に爆発的に数字が伸びたのは、巣ごもり生活でさらに持ち帰りギョーザの需要が増えたことが原因であると推測されます」
正体を明かした宮崎ギョーザ王子が、水を得たギョーザのようにモチモチとジューシーにしゃべりだす。
「そう。宮崎は地鶏だけが名物じゃない。そもそも野菜がめちゃくちゃうまい。だからギョーザもうまいんです。そんな野菜と野球が好きなあなたにおすすめしたい宮崎餃子がこちら」
そういって、王子はギョーザのパックを取り出した。