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“渋沢栄一の子孫” プラチナ世代・澁澤莉絵留 母が名前に込めた意味とゴルフでの“強み”は?【青天を衝け】
text by
キム・ミョンウKim Myung Wook
photograph byJIJI PRESS
posted2021/02/14 06:00
昨年の日本女子プロゴルフ選手権2日目にビッグスコアを叩き出した澁澤莉絵留(20歳)
昨年のコロナ禍では、自粛期間中に朝6時半から9ホールを回り、2~3時間のショット練習と家に帰ってからはアプローチとパットを数カ月間の日課としたという。昨年の同じ2000年生まれの“プラチナ世代”の活躍は大いに刺激になったはずだ。そこには追いつき追い越したいという強い気持ちが表れていた。
澁澤は高校を卒業して、2019年11月のプロテストに6位タイで合格。プロテスト合格組の同期には、昨年2勝して現在賞金ランキング1位で1学年下の笹生優花、同学年で昨年ツアー初優勝した西村優菜がいる。また、昨年3勝の古江彩佳とも同学年。
プロテストに合格しながらも、ライバルに遅れをとっている感覚はあっただろう。それも、ファイナルQT85位のため、昨年のツアー出場は限られていた。レギュラーツアーは5試合、下部のステップ・アップ・ツアーは6試合の出場に留まった。時にビッグスコアを出すポテンシャルはあっても安定した成績を残すには、総合的な力がまだ足りない。
しかし、昨年の試合数からして、彼女の実力を正当に評価するには、材料が少なすぎる。一つだけ強みを挙げるとすれば、昨年出場した下部ツアー6試合でのパーオン率が、73.0159%で5位だったこと。ショット力はあるだけに、3~4日間を通して好スコアをたたき出すには、やはりパットが課題だ。今年のオフにはそこもきっと克服して、シーズン開幕に向けた準備を進めていることだろう。
“澁澤莉絵留”の名を轟かせる活躍を
奇しくも今月14日からNHKで始まる大河ドラマ『青天を衝け』では渋沢栄一の生涯が描かれる。
もちろん今年も女子ゴルフシーズンが始まり、彼女が試合に出ればその話題をきっと振られるはずだ。
女子ゴルフツアーはプロスポーツの中でも人気競技で、多くのファンが存在する。現在はコロナ禍で無観客試合が続く予定とはいえ、ゴルフトーナメントはチケット収入を得ている興行でもある。ファンあってのツアーであるのだから、澁澤は今年、そうした話題もうまく利用して、認知度をもっと高めればいいと思う。
大河ドラマのスタートとともに渋沢栄一の子孫という話題の流れに乗り、女子ゴルフ界に“澁澤莉絵留”の名を轟かせる活躍ができれば、また新たなスター誕生と世間は騒ぐに違いない。