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“渋沢栄一の子孫” プラチナ世代・澁澤莉絵留 母が名前に込めた意味とゴルフでの“強み”は?【青天を衝け】
posted2021/02/14 06:00
text by
キム・ミョンウKim Myung Wook
photograph by
JIJI PRESS
珍しい名前の選手がいるな、と思っていたのは当時、まだ18歳のアマチュアプレーヤーだった。澁澤莉絵留(しぶさわ・りえる)。
彼女の名前を知ったのは、2019年8月の「大東建託・いい部屋ネットレディス」。第1ラウンドで彼女の名前がスコアボードの上位に来ていたからだった。5バーディー、ノーボギーの「67」と好スコアを叩きだして2位タイと好発進していた。アマチュアらしさの勢いもあるが、それ以上に名前にインパクトがある。人々の記憶に残るには十分だった。
当然、話題は名前の由来になる。そこで判明したのが2024年から一万円札の肖像に選ばれた渋沢栄一の血縁者ということ。「日本資本主義の父」である渋沢栄一は父方の先祖で、澁澤は子孫に当たるという。
下の名前の「莉絵留」は母が「悟りを得る」という言葉から「常に平常心で、どんなことに対しても落ち着いた心でいられるように」と付けた。
結局、この試合では50位タイだったが、予選を通過したことは大きな自信となっていた。
ゴルフとは関係のない質問に
「どこまで近いかは、あまり分かりません……」
そう答えたのは、2020年9月の日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯に出場したときだった。実は澁澤にとっては、この試合がプロデビュー戦。しかも大会2日目に6バーディー、ノーボギーの「66」をたたき出して2位タイに浮上。それでも記者からはもちろん渋沢栄一との関係性を聞かれた。
澁澤自身も血縁関係であるものの、そこまで詳しいことは分かっていない。それに、渋沢栄一との関係性はゴルフの実力とまったく関係がない。彼女はプロの世界で結果を残すべく必死に戦っていたのだ。