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古田敦也に松中信彦…4人の「大物臨時コーチ」をキャンプ地に呼んだのは誰? 記者仰天の人事の思惑とは
text by
小西斗真Toma Konishi
photograph byKyodo News
posted2021/02/11 17:05
練習を見守るヤクルトの高津監督(左)と古田臨時コーチ。大物臨時コーチが野球界をざわつかせている
【1】古田敦也を呼び寄せたのは……
「古田さんはOBであり、元監督。2年連続最下位と低迷する古巣に悔しさを募らせていたところ、現役時代にバッテリーを組んだ高津(臣吾)監督から依頼され、その場で快諾したと聞いています。捕手への指導だけでなく、石川(雅規)の球をブルペンで受けたり、打撃投手も買って出るなど、精力的に指導しています」
ヤクルトの事情に詳しい野球記者は、高津監督の意向だと話した。ユニホーム姿でこそないものの、14年ぶりの現場復帰を古田氏も楽しんでいる。
【2】「立浪さんの名古屋での人気は今も健在です」
ヤクルトが「現場主導型」なら中日の立浪氏招聘は「本社主導型」である。ドラゴンズ番記者が語る。
「中日新聞本社からの要望だと聞いています。慢性的な得点力不足にあえいでいる上に、現在のコーチはなぜか全員右打者なんです。根尾(昂)、京田(陽太)といった若い左打者が実力を発揮し切れておらず、ミスタードラゴンズに白羽の矢が立ったわけです。立浪さんの名古屋での知名度、人気は引退して12年がたつ今も健在です。打撃理論にも絶対の自信をもっており、沖縄キャンプ初日からハードな打撃練習を課して若手を鍛えているんです」
コロナ禍で球団収入も激減。強いドラゴンズの復活とともに、地元に愛されるドラゴンズを取り戻すために、立浪氏の待望論は名古屋財界を中心に根強い。いわば切り札である立浪氏の現場復帰は、臨時コーチとはいえチーム内外に大きな刺激を与えた。