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“観客数396人”は「仕方ない」のか… 棚橋弘至がどうしても鷹木信悟に勝たなければいけなかったワケ
text by
原壮史Masashi Hara
photograph byMasashi Hara
posted2021/02/03 17:02
1月30日の鷹木信悟戦に勝利した棚橋弘至。“流行っている感”を失いつつあるプロレスに危機感を抱いている
棚橋が自分にしかできないことをしてくれる
棚橋がNEVERに挑戦する意義も、実際の試合内容も、全てを含めてコロナ禍のプロレス界におけるベストバウトと言える一戦だった。勝利した棚橋は事前の言葉通りにIWGPヘビー級のベルトを再び目指すのか、あるいは、かつてのU-30王座のようにNEVERがIWGPヘビー級のベルトを一時的に超えて棚橋が新日本プロレスの戦いの中心に存在するようになるのか。グレート-O-カーンに急襲されてしまったことでそれはまだわからないが、少なくともこの試合に勝利した棚橋が自分にしかできないことをしてくれるのは間違いない。
1.4の試合後に「絶対にプロレスをなくさない」とも言った棚橋が、その言葉通りに再びプロレス界を盛り上げようとしているその姿を現地で見ないのはもったいない。この試合を見たファンがそう思うのも、間違いないだろう。
【2021年1月30日 愛知県体育館〈新日本プロレス:The New Beginning in Nagoya〉第5試合 NEVER無差別級選手権試合 ●チャンピオン:鷹木信悟(35分40秒 ハイフライフロー→片エビ固め)○チャレンジャー:棚橋弘至】