Sports Graphic Number SpecialBACK NUMBER

村元哉中&高橋大輔「天国への回り道」~激動の初シーズン~

posted2021/01/28 07:00

 
村元哉中&高橋大輔「天国への回り道」~激動の初シーズン~<Number Web> photograph by Nobuaki Tanaka

村元哉中と高橋大輔は、試練を経て絆を深くした

text by

野口美惠

野口美惠Yoshie Noguchi

PROFILE

photograph by

Nobuaki Tanaka

新たにカップルを組み、米国に拠点を移して挑んだ今季。コロナ禍に翻弄されながらも、着実に技術と絆を深めてきた2人に、全日本の大舞台で試練が訪れる。予想外のアクシデントが彼らにもたらしたものとは。

 12月27日、長野県のビッグハットに集まったファンが、祈りをこめて拍手を送る。フリーダンスの演技直前、名前がコールされると、高橋から先に「頑張ろうね!」と声をかけ、村元の手を握った。

 高橋にとってまだデビュー2戦目。11月のNHK杯では、村元がリードする様子もあったが、今回は事情が違った。村元は左脚を負傷し、痛みをこらえての本番。「大丈夫」を連呼する姿をみて、「僕がリードしなきゃ」と高橋は笑顔を作った。怪我をした側も、心配する側も、同じ気持ちだからこそ、気遣いが透けて見える。村元はふと思いつき「See you in Heaven」と返した。

 フリーダンスの『ラ・バヤデール』では、ニキヤとソロルの2人が幻想の中でダンスを踊るシーンを演じている。主人公になりきる気持ちと、困難の先に幸せがあるという意味を込めた「天国で会おう」というジョーク。しかも英語。高橋の思考回路が一瞬止まり、緊張や雑念が飛んだ――。


 振り返れば、高橋がアイスダンス転向を宣言したのは2019年9月のこと。'20年1月から村元と共に、アイスダンスの巨匠マリーナ・ズエワのいる米国に渡り、練習を開始した。11月のNHK杯でデビュー。順位こそ3位だったが、2人が持つ華やかさが光り、ファンの期待に応えた。

こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
Numberプレミアムクラブ会員になると続きをお読みいただけます。

残り: 2403文字

Numberプレミアムクラブ会員(月額330円[税込])は、この記事だけでなく
NumberWeb内のすべての有料記事をお読みいただけます。

村元哉中
高橋大輔

フィギュアスケートの前後の記事

ページトップ