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ブルペン捕手も「18歳であの球はスゴい」 キャンプ最注目はオリックス“ドラ1投手”「松坂大輔よりも驚いた遠投」
posted2021/01/27 11:02
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
JIJI PRESS
新しい年になっても、毎日コロナ、コロナで……あっという間に20日が過ぎて、プロ野球の春季キャンプも秒読みに入った。
巨人が一軍の一部を「東京ドーム」でスタートさせることを決めたが、その他の11球団は、沖縄や宮崎のキャンプ地で「2月1日」を迎えることになりそうだ。
報道の取材も、今年はいろいろと条件や制約があるようで、高めのハードルを乗り越えてキャンプ地にたどり着けたとしても、選手たちのプレーを遠くから眺め、あとは“広報を通じての発表”だけなら、行ってもそんなに実効がないのでは……とも考える。
キャンプ取材のいちばんの「成果」は、キャンプ地のそこここで出会う顔見知りの選手や関係者たちと、すれ違いざまの3分とか5分の立ち話のなかに、思いや本音を嗅ぎ当てる……そこにこそ、「行き甲斐」というものがある。そう思っているので、今年は違うことに2月の時間を使おうと考えている。
例年の1月下旬なら、「あの球団ならあの選手!」と目星をつけて、キャンプでの実像を楽しみにするのだが、今年はそういう存在をこのコラムでお知らせして、キャンプ取材断念の無念のいくらかを晴らそうか、と思う。
「18歳であの球はすごい!」
2、3日前のスポーツ紙に、こんな記事が載った。
「舜平大、平野佳寿級 18歳であの球はすごい!」
プロの怪腕、剛腕の全力投球を20年以上も受けてきたオリックス・杉本尚文ブルペン捕手が、メジャーリーガーを引き合いに出して驚いたという。
そりゃあ、ビックリするはずだ。こっちは、4カ月も前に、もっとビックリしてるんだ。
やっぱりな……とも思った。とんでもないボールだったからだ。花巻東高・大谷翔平(エンゼルス)も速かったし、東海大・菅野智之(巨人)のストレートもそりゃあ恐ろしかったが、こんなにとんでもないストレートじゃなかった。